- 大型ファンドで21.9%、ハイテク特化型ファンドで40.7%の解約請求
- アポロなど同業大手に倣い、ブルー・アウルも5%の制限を今後は維持

米オルタナティブ資産運用会社ブルー・アウル・キャピタルは、プライベートクレジットのファンド2本で償還を制限する。1兆8000億ドル(約287兆円)の市場で起きている解約請求は、前例のない規模に広がっている。
2日のニューヨーク株式市場でブルー・アウル株は急落。午前の取引で一時8.7%下げ、日中ベースでの上場来最安値を更新した。
投資家向け書簡によると、360億ドル規模のブルー・アウル・クレジット・インカム・コープ(OCIC)では、3月31日までの3カ月に21.9%の持ち分について解約請求があり、前期の5.2%から増加した。より小規模なブルー・アウル・テクノロジー・インカム・コープ(OTIC)では、40.7%の解約請求があり、3カ月前の15.4%から増加した。
いずれも過去には5%の限度を上回る請求に応じてきたが、今回は同業他社に倣い、償還をその水準に制限するとした。同社は「ファンドの仕組みに沿い、全投資家の利益のバランスを取るため」と説明した。
OCICでは約9億8800万ドルの解約請求に応じ、約32億ドルがファンドに残る計算となる。一方、より規模が小さいOTICでは約1億7900万ドルを償還し、約10億ドルの資金が維持される。
同業のアポロ・グローバル・マネジメントやアレス・マネジメント、ブラックロックなどと同様、ブルー・アウルも非上場のビジネス開発会社(BDC)で償還制限を維持することになった。今回の請求規模は、プライベートクレジットを巡る懸念の渦中にある同社の状況を浮き彫りにしている。
注目案件の破綻や、直接融資に依存してきたソフトウエア企業に及ぼすAIの影響が懸念され、投資家はプライベートクレジット市場に神経質になっている。とりわけブルー・アウルは昨年11月にBDC2本との統合が撤回されたことや、1月にテクノロジー特化BDCで大規模な解約請求が発生したことで注目を集めた。さらに2月には、リテール向けファンドの一つで四半期ごとの解約を全面停止しつつ、14億ドルの資産売却を進めたことでも厳しい目が向けられている。
同社の両ファンドは設定来で年率9%超のリターンをもたらしてきた。現在も将来も5%の償還要請に対応できる「強固なポジション」にあるとしている。投資家への書簡によれば、2月末時点での現金および借り入れ余力、レベル2の流動性資産を合わせ、OCICは113億ドル、OTICは13億ドルを保有している。
同社はまた、今回の比率は暫定的であり、今後変更される可能性があるとした。OTICは前四半期に17%超の償還を認めたが、最終的には15.4%にとどまった。
資産運用会社は解約請求への対応で対応が分かれており、投資家の資金引き出しに積極的に応じるケースもあれば、上限を厳格に維持するケースもある。それでも、ブルー・アウルのBDCが直面したような割合の償還請求を公表した大手運用会社はこれまでにない。
| 関連記事 |
|---|
| プライベートクレジット解約急増の理由を解説-金融危機の兆候なのかプライベートクレジット、危機前夜と警告シグナル-償還停止が波紋ブルー・アウルのテク特化型ファンド、投資家が純資産15.4%引き揚げ |
原題:Blue Owl BDCs Impose Caps After Facing 41%, 22% Requests to Exit(抜粋)