- 今後2-3週間でイランに対し「極めて強力な攻撃」行う-トランプ氏
- 当面は複数の軍事的選択肢が残された-ライスタッド・エナジー

原油価格が2日に大幅高。トランプ米大統領が前日の演説で、米国は今後2-3週間でイランに対し「極めて強力な攻撃」を行うと表明したことを受け、戦争の早期終結期待が後退した。ホルムズ海峡を通過するエネルギー供給の混乱が長期化するとの懸念が続いている。
ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油は一時、前日終値比13.8%上昇し、1バレル=114ドルに接近。北海ブレントは一時110ドル近くに上昇した。指標の欧州軽油先物は2022年以来となるバレル当たり200ドルを超えた。
WTI原油の期近物はその翌月物に比べて一時16ドル余り高い水準となり、過去最大の価格差に達した。平時の価格差はわずか数セントに過ぎないだけに、著しい供給逼迫(ひっぱく)が示唆されている。
トランプ氏はゴールデンタイムに国民向けに演説し、戦争は成功していると主張。事実上の封鎖が続くホルムズ海峡については、同経由で原油を輸入する国々が輸送の安全確保で主導的役割を果たすべきだと述べた。さらに、戦争終結後には同海峡が「自然に」再開されると主張したが、具体的な時期や詳細には言及しなかった。
フランスのマクロン大統領は、軍事的な手段を使った海峡の封鎖解除は非現実的だとはねつけた。
ホルムズ海峡再開のめどは立たず、石油市場の圧力が後退する兆しはほとんど見られない。WTIの価格は年初の2倍ほどに達している。
ICAPのエネルギースペシャリスト、スコット・シェルトン氏は「市場は今回の展開を織り込んでいなかった」と指摘。「緊張緩和に向けた協議を想定していたが、実際には全く逆の展開となった」と述べた。
原油相場は日中に上げ幅を縮小する場面があった。イランがホルムズ海峡の通航を監視するため、オマーンと協定案を策定しているとの報道が材料となった。
ウェストパック銀行の商品調査責任者ロバート・レニー氏は「トランプ氏の演説は市場の基本的な現実を何も変えていない。海峡は事実上、すでに1カ月にわたり閉鎖されており、供給は大きく制約された状態が続いている。少なくとも数週間、場合によってはそれ以上の混乱が続く可能性が高い」と指摘した。

Trump Threatens to Escalate Iran War, Says End Is Close5:29トランプ米大統領の演説
トランプ氏の演説に先立つ数日間に原油は下落し、株式などの広範な市場は上昇していた。同氏が中東の戦争について数週間以内に解決する可能性を示唆していたためだが、今回の演説は戦争終結を巡る不透明感を一段と強めた。同氏は改めてイランの石油施設への攻撃も辞さない姿勢を示した。
ライスタッド・エナジーのチーフエコノミスト、クラウディオ・ガリンベルティ氏は「トランプ氏特有のあいまいさによって、米国の関与期間が比較的短期にとどまる可能性が示唆される一方、当面は複数の軍事的選択肢が残された」と指摘。
「緊張緩和への道筋がより明確になるまで、市場は引き続き高いボラティリティーに見舞われる公算が大きい」と述べた。
3日はイースター(復活祭)の祝日のため原油先物は取引されず、来週まで3連休となる。
仮にトランプ氏の望む期間内で戦争が終結したとしても、ホルムズ海峡を通じた通常の物流が回復するには時間を要する見込みだ。エネルギー関連インフラの一部は戦闘で損傷しており、修復には長期間を要する可能性がある。さらに、この地域での米軍増強も市場の緊張を高めている。
分析会社バンダ・インサイツの創業者バンダナ・ハリ氏は「市場は今後、軍事作戦の強化を織り込むことになる」と述べ、「トランプ氏は戦争終結の明確な時期を示さなかったが、原油価格はそれを暫定的に織り込んでいた」と述べた。
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原題:Oil Hits $110 and Diesel Tops $200 as Trump Threatens Escalation、Oil Jumps and Diesel Tops $200 as Trump Threatens Escalation、WTI Prompt Backwardation Extends Record to More Than $16/Bbl (抜粋)