• イラン産「石油の掌握」検討も、トランプ氏がFOXに語る
  • トランプ氏は6日に記者会見、「火曜日午後8時」と詳細不明の投稿も
トランプ米大統領
トランプ米大統領Photographer: Alex Brandon/AP Photo/Bloomberg

Omar TamoArsalan ShahlaSara Gharaibeh

イランに撃墜された米戦闘機の乗組員で、行方不明になっていた兵士を米軍は救出した。トランプ米大統領はこれを受けて、これまで以上に過激な表現を用い、ホルムズ海峡封鎖が続けばイランの発電所や橋を7日に攻撃すると述べ、圧力を一段と強めた。「火曜日午後8時」とも投稿したが、詳細は不明だ。イランはこの新たな最後通告を拒否した。トランプ氏は6日にホワイトハウスで記者会見を開く。

  トランプ氏は5日未明、イランによる米戦闘機撃墜後に行方不明となっていた乗組員1人を米軍が救出したと明らかにした。

  自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への5日の投稿で、F-15E戦闘機の乗組員を救出する作戦は「数十機」の米軍機とともに実施されたと指摘。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)によると、2日間に及ぶ救出作戦には数百人の特殊作戦部隊が関与し、米軍機は爆弾投下やイランの車両への攻撃を実施、乗組員が潜伏しているエリアから遠ざけたという。

  トランプ氏は5日午前のトゥルース投稿で、救出されたF15E戦闘機の乗組員が「重傷を負っている」と述べた。

  米軍機の撃墜とその後の乗組員の捜索は、トランプ米大統領が演出してきた無敵のイメージに打撃を与えた。トランプ氏は5週間前にイスラエルとともに開始したイラン戦争に伴う政治的リスクの高まりを抑え込もうとしている。

  トランプ氏はイラン上空の制空権を掌握しているとの発言を繰り返してきたが、アナリストは、今回の撃墜がこうしたトランプ氏の主張に疑問を投げかけたと指摘している。

  トランプ氏は7日にイランの発電所や橋を攻撃すると警告した。FOXニュースによれば、イランが合意に応じない場合は「石油の掌握」を検討している。トランプ氏は6日に記者会見を開く。

  トランプ氏は5日、「7日はイランにとって発電所の日、橋の日となる。それらが一度に実行される」とトゥルース・ソーシャルに投稿。「前例のない事態になる!!!」と述べた。さらに、イランに「(ホルムズ)海峡を開放せよ」と要求し、「さもなければ地獄のような状況になる、見ておけ」と脅した。

  午後に入ると、トランプ氏は「米東部時間火曜日、午後8時」とトゥルース・ソーシャルに投稿。それが何を意味するのかは不明。

  トランプ氏は3月下旬に、イランがホルムズ海峡を速やかに再開しなければエネルギー施設を攻撃すると警告。交渉の期限を2回延長し、米東部時間4月6日午後8時(日本時間7日午前9時)までとされていた。

  トランプ政権がイランの民間エネルギーインフラを攻撃した場合、国際法上、戦争犯罪に該当する可能性が高い。

石油掌握

  トランプ大統領はFOXニュースとの電話インタビューで、イランが合意に応じない場合、「石油を掌握すること」を検討していると述べた。FOXの記者がX(旧ツイッター)で伝えた動画は「トランプ氏は合意が迅速にまとまらなければ、すべてを破壊し、石油を掌握することを検討していると話した」としている。

  同報道によれば、トランプ氏は一方で「6日までに」合意を成立させることは可能だと考えている。また、交渉継続のため、イラン側の交渉担当者には免責が与えられているという。

  トランプ氏によれば、米東部時間6日午後1時(日本時間7日午前2時)にホワイトハウスの大統領執務室で、軍関係者同席のもとで記者会見が開かれる。

  イランはトランプ氏による最新の最後通告を拒否。戦争被害の補償が行われるまでは、ホルムズ海峡封鎖の完全解除には応じないと述べた。イランは湾岸諸国のエネルギー施設を標的とした攻撃を続けている。

Posters in Tehran depict downing of US aircraft
テヘランの街頭ポスター。米軍機を地上から攻撃する様子が描かれている。(4月5日)Source: Anadolu

戦闘激化

  戦闘は激化しており、クウェートの石油会社本部が攻撃されたほか、アブダビの石油化学プラントは火災で操業を停止した。

  米国はステルス性能を備えた長距離巡航ミサイル「JASSM-ER」のほぼ全ての在庫を太平洋地域および本土からイラン攻撃に備えて移送させている。移送後には世界の他地域で利用可能なJASSM-ERは約425発にとどまる見込みという。

  イラン準国営ファルス通信は4日、米・イスラエル軍がイラン石油化学産業の集積地区を攻撃し、複数の施設が被弾したと報じた。同地区の人員には避難命令が出されたという。

  イランの政府系メヘル通信は、この攻撃で5人が死亡、170人が負傷したと報じた。

  また、イランの準国営タスニム通信によると、同国ブシェール原発の外周部で同日、米・イスラエル軍による攻撃があり、保安要員1人が死亡した。原発の主要施設には影響がなかったとしている。施設の主要部分にはロシア国営原子力企業ロスアトムの職員が勤務している。

  イランも中東諸国へのミサイルやドローン(無人機)による攻撃を続けている。

  アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ当局によれば、情報通信(IT)や通信産業が集積するドバイ・インターネット・シティにある米オラクルのビルでは4日、迎撃による破片が建物外壁に落下した。

  近隣のドバイ・マリーナの建物にも破片が落下したという。火災や負傷者などの報告はない。

  クウェートの国営石油会社クウェート・ペトロリアム(KPC)の本社がイランによるドローン攻撃を受け、火災が発生した。

Drone attack sparks fire at oil sector complex in Kuwaitâs Shuwaikh area: Kuwait Petroleum Corporation
ドローンに攻撃されたクウェート・ペトロリアム本部(4月5日)Source: Anadolu

  複数の政府機関や人権活動家ネットワーク「HRANA」のデータによれば、今回の戦争でこれまでに5000人以上が死亡し、その4分の3近くがイランで起きている。レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとイスラエルが戦闘を続けるレバノンでは、犠牲者は1460人を超えている。

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