• 5月の日量約20万6000バレル増産で合意-象徴的な引き上げ
  • 損傷エネルギー資産の完全回復には多額の費用と時間要する
石油輸出国機構(OPEC)のロゴ入りドラム缶(2024年11月13日)
石油輸出国機構(OPEC)のロゴ入りドラム缶(2024年11月13日)Photographer: Andrey Rudakov/Bloomberg

Nayla RazzoukFiona MacDonald

石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成するOPECプラスは、5月の生産枠について象徴的な引き上げを承認した。一方で、中東のエネルギー資産への被害は、イラン戦争終結後も原油供給に長期的な影響を及ぼすと警告した。

  OPECプラスの閣僚監視委員会は5日の会合後の声明で、「損傷したエネルギー資産を完全な能力まで回復させるには、多額の費用と長い時間が必要だ」と指摘。また、エネルギーインフラへの攻撃や輸出ルートの混乱など、供給の安定性を損なういかなる行為も、市場の変動を高め、OPECプラスの取り組みを弱めるとした。

  サウジアラビアとロシアが主導する主要産油国は5日に開いたオンライン会合で、日量約20万6000バレルの増産目標で合意した。中東での紛争により一部の主要加盟国で生産や輸出が制約される中、象徴的な動きとなる。

  イラン戦争によりペルシャ湾からの原油供給が抑制され、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、イラク、クウェートといった主要産油国が供給削減を余儀なくされている現状では、今回の措置は実質的に理論上のものにとどまる。ただし、紛争が緩和すれば速やかに生産を回復させる意向を示す意味合いを持つ可能性がある。

  原油価格は、米国・イスラエルとイランの間で5週間続く紛争の影響で大きく変動し、先月には1バレル=120ドル近くまで上昇した。航空燃料やディーゼルなど製品価格の高騰は、インフレ再燃の脅威となっている。

原題:OPEC+ Makes Symbolic Oil Hike, Sees Slow Recovery After War (1)(抜粋)