Nazih Osseiran, Alexander Dziadosz, Alexander Cornwell

[ベイルート/テルアビブ 8日 ロイター] – イスラエルは8日、レバノンの親イラン武装組織ヒズボラに対する大規模な攻撃を実施した。米国がイランと2週間の停戦で合意したことを受け、ヒズボラは攻撃を一時停止したものの、イスラエルのネタニヤフ首相は合意にはレバノンは含まれていないとし、ヒズボラに対する攻撃を継続すると表明。この日の攻撃は3月にヒズボラとの衝突が再燃してから最も激しいものとなり、約250人が死亡した。
米国とイランの停戦合意を巡っては、米ホワイトハウスのレビット報道官がこの日の記者会見で、レバノンは停戦合意の条件に含まれていないと指摘。バンス米副大統領はイランの交渉担当者は停戦協定にレバノンも含まれると考えていたものの、米国は同意していなかったと述べた。一方、イランのペゼシュキアン大統領はレバノンでの停戦はイランが米国と合意するための不可欠な条件との認識を示したほか、10日から開始される米国とイランの協議でイランを代表するとみられているイランのガリバフ国会議長は、レバノンでの停戦違反を戦闘終結に向けた10項目の提案に対する違反の1つと挙げるなど、見解の相違が出ている。
この日は、レバノンの首都ベイルートで少なくとも5回の連続した空爆があったほか、ベカー高原やレバノン南部などの100カ所を超えるヒズボラの司令拠点や軍事施設が攻撃対象になった。
レバノンの民間防衛当局によると、この日のイスラエルによる攻撃で全国で少なくとも254人が死亡。1100人以上が負傷した。犠牲者が最も多かったのはベイルートで、少なくとも91人が死亡したという。
ボルカー・ターク国連人権高等弁務官は、停戦合意後にイスラエルがレバノンに対する大規模攻撃を実施したことを非難。ヒズボラもイスラエルによる攻撃は「野蛮な侵略」と非難し、報復を示唆した。