• 海峡両側に1000隻超が待機、船主ら安全な通航可能か詳細な情報待つ
  • タンカー通航引き続き許可せず、レバノン攻撃が理由-イラン報道
ホルムズ海峡を通過する貨物船(今年2月)
ホルムズ海峡を通過する貨物船(今年2月)Photographer: Giuseppe Cacace/AFP/Getty Images

Weilun SoonAlex LongleyJulian Lee

海上輸送の要衝であるホルムズ海峡は、米国とイランの停戦合意後も事実上の封鎖が続いている様子だ。船主らは同海峡の通航が安全なのか見極めようとしている。

  ブルームバーグがまとめた船舶追跡データによると、8日にホルムズ海峡を通過してペルシャ湾から出た船はわずか3隻で、このうち一部はイラン関連の船舶だった。同日午後には、レバノンでイスラエルの攻撃があったため、タンカーの通航は引き続き許可されないとイランのメディアが報じた。

  昨年の平時には1日約135隻が同海峡を通航していた。

  8日朝の時点では、ホルムズ海峡の両側で待機している船舶は1000隻を超え、ペルシャ湾内にあるアラブ首長国連邦(UAE)のドバイ、オマーン湾側のホールファカン周辺に多数の船団が確認できた。同日朝には停戦発表後初めて、2隻がイラン指定のホルムズ海峡通航ルートに向かっている様子が見られたが、このうち1隻は米国が制裁対象としているイランの旗を掲げた石油タンカーだった。

  船主や保険会社は停戦を歓迎する一方で、安全な通航が可能かどうかを判断するには詳細な情報が必要だとくぎを刺している。イランは停戦の前提条件として、海峡の通航を管理する権利を求めていた。同国はまた一部の船舶に対し、最大200万ドル(約3億2000万円)の通航料を課している。

  英ロイズ市場協会の海運・航空部門責任者、ニール・ロバーツ氏は「これが一時的な停戦なのか恒久的な平和なのかは時間が経たないと分からないが、ペルシャ湾岸地域の貿易が単純に再開するとは極めて考えづらい」と指摘。「根本的な緊張が全く解決されていないため、同地域は依然として高いリスクにさらされている」と語った。

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8日朝の船舶位置情報。ホルムズ海峡の両側、ドバイ周辺とオマーン湾のホールファカン周辺に船団が見られるSource: Bloomberg

  船主らは公にも私的にも慎重ながら楽観を示しつつ、実際にどのように通航が可能になるのかはまだ明らかではないと付け加えた。

  世界第2位のコンテナ船会社であるAPモラー・マースクは、この停戦で「通航の機会が生まれる可能性はあるが、海運の完全な確実性がまだ得られていない」との認識を示した。日本郵船は、状況を注視していると発表した。

  会員企業を合わせると世界の海上輸送能力の約3分の2を占める海運業界団体のボルチック国際海運協議会(BIMCO)も慎重な姿勢を示し、米国とイランから安全な航行計画の詳細を待っているところだと説明した。

  BIMCOの安全担当責任者であるヤコブ・ラーセン氏は、「米国およびイランとの事前の調整なしにホルムズ海峡を通過しようとするのは、高いリスクを伴い、推奨できない」と述べた。

  ペルシャ湾岸地域に足止めされている船舶を抱える船主らも、非公式に同様のコメントを発している。

  アジア、中東、欧州の複数の船主は、保険会社や安全保障アドバイザーと連絡を取りつつ、船舶を待機させている。

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原題:Hormuz Stays Blocked for Now as Hundreds of Ships Seek Escape(抜粋)