- 円は一時159円30銭に下落、イスラエル・レバノン直接交渉で下げ渋る
- ドル指数は4日続落、米国債は30年以外は持ち直す-入札不調

Rita Nazareth
9日の米株式相場は続伸。イスラエルがレバノンとの直接協議に応じたことで原油相場の上昇が一服し、米国とイランの停戦合意が維持されるとの期待から、主な株価指数は上げに転じた。
S&P500種株価指数は7営業日続伸し、昨年10月以来の長期上昇局面となった。ただ、ソフトウエア株は再び売られた。
| 株式 | 終値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| S&P500種株価指数 | 6824.66 | 41.85 | 0.62% |
| ダウ工業株30種平均 | 48185.80 | 275.88 | 0.58% |
| ナスダック総合指数 | 22822.42 | 187.43 | 0.83% |

米国とイランは今週後半のパキスタンでの和平協議に向けた準備を進めており、停戦はおおむね維持されているものの、ホルムズ海峡の支配やレバノンでのイスラエルの攻勢といった重要な問題は依然として未解決のままとなっている。
イスラエルのネタニヤフ首相はレバノンと直接交渉することに合意したと明らかにした。交渉では、親イラン民兵組織ヒズボラの武装解除と、イスラエルとレバノンの平和的関係の確立が焦点になるという。トランプ米大統領は8日にネタニヤフ氏と電話会談し、イランとの協議を確実に成功させるため、レバノンでの攻撃を縮小するよう要請した。NBCが政権高官の話として報じた。
ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのブラッドフォード・スミス氏は「市場にとって重要なのは、停戦がどれだけ持続するか、ホルムズ海峡を通過する輸送量、そして最終的に正式な恒久的合意が成立するかどうかに尽きる」と述べた。

昨年10-12月期(第4四半期)の米実質国内総生産(GDP)は前期比年率0.5%増と、改定値の0.7%増から下方修正された。2月の米個人消費支出(PCE)は実質ベースで前月比わずかな増加にとどまった。インフレは根強く続いており、イラン戦争を背景に一段と加速する見通しだ。
LPLファイナンシャルのジェフ・ローチ氏は「戦争前から、インフレ圧力は特に医療や金融サービス分野で強かった。実質的な改善にはまだかなり時間がかかる」と述べた。
eToro(イートロ)のブレット・ケンウェル氏はこの日の統計には足元のエネルギー価格の急騰は反映されていないが、10日に発表される消費者物価指数(CPI)にはその影響の一部が表れるとの見方を示した。エコノミストは0.9%上昇を予想しており、実際にそうなれば2022年以降で最大の伸びとなる。
失業保険の継続受給者数は約2年ぶりの低水準に減少し、労働市場の安定を示す新たな証左となった。
ローチ氏は「失業保険の申請件数は依然として低水準にある。景気減速の中でも労働市場は安定しており、米連邦準備制度理事会(FRB)には様子を見ながら、二大責務に対応する時間的余裕がある」と述べた。
外為
外国為替市場では、ドル指数が4日続落。イスラエルとレバノンが直接交渉で合意したと明らかになり、この日の安値水準に下げた。
ニューヨーク時間の午前中に円は対ドルで1ドル=159円30銭まで下げたが、直接交渉のニュースが伝わると、158円台後半まで下げ渋った。
| 為替 | 直近値 | 前営業日比 | 変化率 |
|---|---|---|---|
| ブルームバーグ・ドル指数 | 1199.60 | -1.91 | -0.16% |
| ドル/円 | ¥159.01 | ¥0.44 | 0.28% |
| ユーロ/ドル | $1.1697 | $0.0034 | 0.29% |
| 米東部時間 | 16時54分 |
ドルと原油の相関性は過去最高に近い水準にまで強まっている。

米国債
米国債相場は荒い値動きとなった後、終盤に持ち直した。中東での戦争を巡る動きを受けて原油価格がこの日の高値から下げたことが背景にある。一方、午後の入札で需要の弱さが示されたことから、30年債利回りは上昇した。
| 国債 | 直近値 | 前営業日比(bp) | 変化率 |
|---|---|---|---|
| 米30年債利回り | 4.88% | -0.1 | -0.02% |
| 米10年債利回り | 4.28% | -1.6 | -0.37% |
| 米2年債利回り | 3.77% | -1.5 | -0.39% |
| 米東部時間 | 16時54分 |
30年債入札(規模220億ドル)では、落札利回りが4.876%と、昨年7月以来の高水準となった。入札前取引の利回り4.871%を上回り、需要が予想より弱かったことを示した。
原油
米原油先物は上昇。中東での供給減少の兆しが意識されたほか、ホルムズ海峡の実質封鎖が続いていることも支援した。イラン戦争を巡るニュースに敏感に反応しており、商いも低調な中で不安定な値動きとなった。
米ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油5月限は前日比3.46ドル(3.7%)高の1バレル=97.87ドルで終了した。一時は103ドルに接近する場面もあったが、イスラエルがレバノンとの直接交渉に合意したと伝わると、上げ幅を縮小した。
北海ブレント先物6月限は1.17ドル(1.2%)高の95.92ドルで引けた。
サウジアラビアの石油生産能力は、エネルギー施設やパイプライン、製油所への相次ぐ攻撃により日量60万バレル近く減少したと、国営通信が伝えた。
また、アラブ首長国連邦(UAE)最大の石油会社トップは、ホルムズ海峡はなお封鎖されており、イランが船舶の通航を制限していると述べた。一方、イランの外務次官は英メディアに対し、船舶が通過するには同国の許可が必要だと語った。
満載の中国の石油タンカー2隻がホルムズ海峡に接近しており、停戦発表後に同海峡を通過する初のタンカーとなる可能性がある。ただ、実現する保証はなく、過去1日に船舶の航行状況に大きな変化はない。
CIBCプライベート・ウェルス・グループのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「実際の原油の受け渡しを伴わない取引については全面的な海峡再開を先回りして織り込む傾向があるが、現物の流れは段階的にしか回復せず、まだ本格的に始まっていない」と述べた。

金
金スポット相場は3営業日続伸。米国とイランの停戦合意は脆弱(ぜいじゃく)ながらも維持されており、戦争の外交的解決が意識された。
一時は1.7%高の1オンス=4801.17ドルまで買われた。イスラエルがレバノンと直接交渉に合意したと伝わったことが追い風となった。イランはイスラエルによるレバノン攻撃継続を停戦合意違反だと主張しており、交渉の火種となっている。
その後、イスラエルのネタニヤフ首相がレバノンでの攻撃を継続すると話すと、上げ幅を削った。
INGグループの商品ストラテジスト、エワ・マンゼイ氏は「金はニュースに敏感に反応する展開だ。地政学リスクが解消しておらず、停戦も不安定なため、短期的にボラティリティーが高い状態が続いている」と指摘。
「一方で、中央銀行による継続的な買いや外貨準備の分散、実質金利が長期的に抑制的な水準にとどまらないとの見方に支えられ、中長期的な見通しは引き続き力強い」と述べた。
スポット価格はニューヨーク時間午後2時15分現在、前日比64.10ドル高の1オンス=4783.25ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は、前日比40.80ドル(0.85%)高の4818.00ドルで引けた。

原題:S&P 500 Notches Longest Winning Run Since October: Markets Wrap(抜粋)
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