自民党の反対を受けて政府は9日、再審制度の見直しに向けた刑事訴訟法改正案について、予定していた10日の国会提出は見送ると、衆参各院の議院運営委員会理事会に伝えた。読売新聞はこの件に関連した記事をこう書き出している。この日、これとは別に衆議院の憲法審査会が開かれ、憲法改正に向け「条文起草委員会の設置」を求める意見が相次いだ。閉塞状態に陥っていた日本、閉塞感を撒きちら足ている元凶ともいうべき法務省と憲法審査会に、日本再生に向けた小さな波が忍び寄った。これも先の総選挙で自民党が大勝した効果かもしれない。国民を無視し続けてきた法務省と憲法審査会が、国民の意思を感じて動き出したのだ。停滞日本の明るい兆しと受け止めたい。自民党は党内にうごめく高市降ろしと、日本再生に向けた蠢動が同居する事態になっている。経済再生に向けた積極財政もまだ、官僚などを中心とした支配者層の認知を得たわけではない。そんな中で日本が変わる可能性が少しだけだが見えた気がする。
刑事訴訟法の改正案は、冤罪事件をめぐる訴訟手続きで法務省と自民党の法務部会並びに司法制度調査会の意見が対立していた。法務省の裏で法曹界を牛耳っているのは法制審議会だ。刑法や商法など日本の法律はこの審議会の了承を得ないと改正できない。現行法だと冤罪事件は一審で再審が認められても、検察の控訴権が認められている。検察が控訴すれば最高裁の最終判決まで10年近い歳月がかかる。これが冤罪事件に巻き込まれた人たちの救済を遅らせる最大の原因になっている。袴田事件を持ち出すまでもないだろう。冤罪被害者からは冤罪裁判の長期化回避を求める意見が相次いでいた。こうした中で法務省は、最終的に検察の控訴を維持する方針を示し、自民党の了承を求めていた。法制審は多様なメンバーで構成されている。弁護士など一部のメンバーは現状維持に反対していた。だが、学者や検察関係者など同審議会の過半数が現状維持を容認していた。ここに自民党が決然と割り込み、法務省と法制審の方針をひっくり返したのだ。
憲法審査会もこれまでは建前論と原則論の繰り返しで、憲法改正に向けた審査会の審議は堂々巡りを繰り返していた。その審査会が先の総選挙で自民党が、憲法改正に必要な3分の2以上の議席を衆議院で獲得したことを契機に動き出した。とはいえ、条文起草委員会条の設置が決まったわけではない。憲法改正まであとどのくらい時間がかかるかわからない。安倍政権よりはるかに党内基盤が脆弱な高市政権だ。おまけに高市氏の性格や態度が気に入らない党内有力者の高市降ろしの噂が絶えない。問題は性格や態度だ。政策論争ではない。主要メディアがそうした勢力を代弁して印象操作に勤しんでいる。真実は報道しないが印象操作には長けている。兆し始めた日本再生の動きも、主要メディアは気に入らないのだろう。政策論争の王道を避け、重箱の隅をほじくり出すようにして高市総理の足を引っ張っている。情けなや、日本の主要メディア。日本経済の再生はなるか、その道は果てしなく遠い。