
[ワシントン 9日 ロイター] – トランプ米大統領は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国が原油輸送の要衝ホルムズ海峡の安全確保に協力しなかったことに不満を強めているほか、デンマーク自治領グリーンランドの取得構想が進展していないことに苛立ちを募らせており、欧州から米軍部隊の一部を撤収する可能性について側近と協議している。米ホワイトハウス高官が9日、ロイターに明らかにした。
現時点では欧州駐留米軍の削減について何も決定されておらず、ホワイトハウスが国防総省に具体的な削減計画の策定を指示した事実もないという。ただ、こうした協議が行われていることは、米国と欧州のNATO加盟国との関係がここ数カ月で急速に悪化していることを示している。また、NATOのルッテ事務総長が8日にホワイトハウスを訪問し、トランプ氏と会談したものの、大西洋を挟んだ同盟関係の大きな改善には至らなかったことも示唆している。双方の関係は、1949年のNATO創設以来、おそらく最悪レベルにあると言える。
コメントを求められたNATO報道官は、ロイターに対し、ルッテ氏が8日に行った米CNNとのインタビューについて言及。同インタビューでルッテ氏は、トランプ氏が同盟に対して抱く不満は理解できると述べた上で、「欧州の大部分」が米国の対イラン戦争において協力的だったと語った。
米国は現在、欧州に8万人以上の部隊を配置。このうち3万人以上がドイツに駐留しているほか、イタリア、英国、スペインにも相当数の部隊を展開しており、第2次世界大戦以降、欧州の安全保障に米軍は中心的な役割を果たしてきた。
ホワイトハウス当局者は、トランプ氏は部隊を他国に移動させるのではなく、米国に帰還させることを具体的に検討していると語った。当局者によると、トランプ氏は特に、欧州がグリーンランド獲得の試みを軽視しようとしていると感じており、苛立ちをつのらせているという。
ホワイトハウス高官は、撤収の対象になる可能性のある国のほか、最終的に削減される部隊の規模などについては明らかにしなかった。
NATOはこの件に関するコメントを控えている。