政府と与野党による「社会保障国民会議」の下に設置された有識者会議は9日、減税と給付を組み合わせた「給付付き税額控除」の制度設計に向け、論点整理の議論を開始した。支援の対象は、中低所得の勤労世代とし、個人単位での支援を基本とすべきだとの意見が多数を占めた。

 給付付き税額控除は、所得に応じて所得税などから一定額を控除(減税)し、引き切れない分は現金で給付する制度で、高市首相が導入を掲げている。首相は同制度導入までの「つなぎ」として食料品を対象にした2年間の消費税減税を訴えている。

 この日は、給付付き税額控除に関し、〈1〉支援の単位〈2〉支援の概要〈3〉支援の対象〈4〉金融所得や資産の扱い――の4項目の論点に沿って議論した。

 支援の対象については、「一定の勤労所得があり、社会保険料を負担している人」など、現役世代が望ましいとの声が多かった。有識者会議による「給付付き税額控除」の論点整理を巡る議論の概要

 支援の単位では、就労を促進する観点などから、世帯よりも個人単位とすべきだとの声が相次いだ。世帯ごとの公平性を考慮し、世帯単位も併用すべきだとの指摘もあった。

 概要では、支援額について、所得や収入に連動させ、一定以上の所得を得ている場合は減らすべきだとの意見が出た。所得の増加に応じて手取り額が増えるような制度設計にすることが望ましいとの声もあった。

 把握が難しい金融所得や資産を支援額に反映させることに関しては、「将来の検討課題とすべきだ」との意見が出た。政府・与党内では、資産額などを反映しない簡易型の制度として、まずは導入すべきだとの声が高まっている。

 有識者会議は、税・社会保障改革の個別の論議の必要性を認めつつ、当面は給付付き税額控除の制度設計に重点を置く構えだ。