
[イスラマバード 11日 ロイター] – 米国とイランの代表団は11日、約1カ月半続く紛争の終結を目指してパキスタンのイスラマバードで会談した。パキスタン筋によると、米国側はバンス米副大統領とトランプ政権のウィットコフ中東担当特使、トランプ氏の娘婿であるジャレッド・クシュナー氏が、イラン側はガリバフ国会議長とアラグチ外相が出席した。パキスタンの陸軍参謀長も同席した。協議は約2時間にわたって行われて終了したが、イランメディアは、11日に再び始まったと伝えた。
パキスタンの関係筋は、11日の最初の協議について「双方には感情の起伏があり、会談中は緊張が高まったり和らいだりした」と説明した。
イランのタスニム通信は、11日に再び協議が始まったと報じた。同通信はこれに先立ち、ホルムズ海峡問題が依然として「深刻な意見の相違」の主な争点の一つとなっていると指摘していた。協議再開を伝えるにあたり、「米国の過剰な要求」を踏まえると、今回の協議が共通の枠組みに到達するための「最後の機会」であるように思われるとした。
11日の協議に先立ち、パキスタンのシャリフ首相が同日朝から仲介役を務め、イランは対面協議の前提条件として米国に要求する「レッドライン」を提示した。イラン国営テレビによると、条件にはホルムズ海峡を巡る問題、イラン資産の凍結解除、戦争賠償金の支払い、域内全体の停戦が含まれるという。イランはイスラエルによるレバノンへの攻撃停止も要求しているが、イスラエルと米国は今回の交渉の枠外だとしている。
イラン政府報道官は会談前、「われわれは引き金を引く準備をした状態で交渉に臨む」と国営テレビで表明。「われわれは対話に前向きだが、信頼の欠如も十分に認識している。したがって、イラン交渉団は最大限の慎重さをもって臨む」と語った。
今回の米・イラン協議は、1979年のイラン・イスラム革命以降、両国の間では最高レベルの協議となる。また、両国が公式に対面で協議するのは2015年のイラン核問題以降初めて。
米代表団は11日朝、米空軍機2機に分乗してイスラマバード近郊の空軍基地に到着し、パキスタン軍トップのムニール陸軍参謀長とダール外相の出迎えを受けた。
人口約200万人のイスラマバードでは、協議を前に数千人規模の準軍事部隊や正規軍が展開するなど、前例のない厳戒態勢が敷かれた。
10日にイスラマバード入りしたイラン代表団は、米とイスラエルの攻撃で死亡した最高指導者アリ・ハメネイ師らを悼み、黒い服装で到着した。イラン政府はXで、米軍が爆撃した学校で死亡した生徒の靴やかばんを携行したと明らかにした。
パキスタン外務省はダール外相の声明を発表し、米国とイランが「紛争の恒久的かつ持続可能な解決」に向けて建設的な協議を行うことに期待を示した。
米代表団を率いるバンス氏はパキスタンへ出発する前、交渉で良い結果が出ることに期待するとした上で、「もし彼らがわれわれを翻弄しようとするなら、それは受け入れられない」と語った。パキスタンの関係筋は交渉の行方について「われわれは非常に前向きだ」と述べた。交渉が11日中に終了するかどうかについては、判断するのは時期尚早だとし、この協議には期限はないとの見方を示した。