米国とイランの停戦協議は21時間におよぶ断続的な協議の末に合意に達しなかった。イランが核計画を放棄しなかったこと、ホルムズ海峡の開放に同意しなかったことが、合意決裂の最大の要因のようだ。そのほかいくつかの点では合意に達したと報道されている。根っこの問題は核計画とホルムズ海峡に絞られたといってもいいのではないか。主要メディアはイラン戦争の見通しは一段と不透明になったと報道している。そうなのだろうか。両国の交渉は依然として続いている。トランプ大統領は交渉決裂を受けてイラン海峡を封鎖すると公言した。逆封鎖、これは何を目指しているのだろうか。イランの資金源断絶が狙いか。だとすればこの戦争が長期化することを意味する。中間選挙を控えて、戦争を早期に終わらせたいとの思いは、トランプ氏が一番強いのではないか。イスラエルのネタニヤフ首相と共に、「戦争を続けたい」勢力が、トランプ政権内部にいるのかもしれない。ホルムズ海峡の逆封鎖はそれを炙り出そうとしているのでは。

トランプ発言を受けて米中央軍は逆封鎖のタイミングを発表している。それによると停戦開始は米東部時間13日午前10時(日本時間同日午後11時)からとなっている。それまで水面下で両国の交渉は継続するのだろう。ちなみに7日に合意された停戦期間は2週間。停戦が8日から始まったとすれば、停戦最終日は21日になる。停戦期間はまだ1週間とちょっと残っている。今回の協議決裂に関連してイラン政府は直後に「交渉は継続する」と表明している。外務省報道官は「1回だけの会合で合意に達すると期待していなかったのは当然だ」とコメント。交渉継続の意欲満々に見える。トランプ氏は「イランが求めれば交渉に応ずる」と、いつもながらの“ひねくれ”発言。米国優位の立場を強調しながら、交渉継続という本音を曝け出している。ホルムズ海峡の逆封鎖では、「通行料を支払った船舶は拿捕する」とか「平和的な船舶に発砲するいかなるイラン人も、地獄に​吹き飛ばされる」など、いつもながらの脅迫を繰り返している。

一方、イスラム革命防衛隊(IRGC)は「ホルムズ海峡にいかなる口実であれ、軍艦が接近を試みた場合は停戦違反と見做される」と、強い口調で警告。言葉は過激だが双方とも攻撃するとか反撃するといった言葉は使っていない。要するに水面下で継続している実質的な停戦交渉とは別に、表の世界では過激な言葉を使った口喧嘩が相変わらず激しく展開されているのだ。シナリオに沿った協議決裂というのは言い過ぎかもしれないが、双方に停戦への期待と意欲がある以上、そう簡単に協議は決裂しないのではないか。そんな気がするのだ。イラン戦争終結に向けた協議、最初の期限は日本時間13日午後11時、これをクリアーすると停戦最終日の来週21日に次の期限が来る。最初の期限はうやむやにクリアーされ、次の期限はもう2週間延長される。部外者の妄想に過ぎないが、戦争を終わらせるには時間がかかる。この間、世界中が不安と不満に苛まれ、最終的には不穏な空気に覆われる。それでも戦争が終結すればそれに越したことはない。