- トランプ氏、イランが抵抗した場合には報復すると警告
- 米中央軍、米東部時間13日午前10時から封鎖を開始と発表

Eric Martin、Catherine Lucey、Arsalan Shahla
トランプ米大統領は、戦略的要衝であるホルムズ海峡の全面的な海上封鎖を開始すると表明し、イランが抵抗した場合には報復すると警告した。世界のエネルギー供給に混乱をもたらしている対立を一段と激化させる動きだ。
米国とイランは週末、パキスタンで長時間の協議を行ったが、戦争終結に向けた合意には至らなかった。数千人の死者を出した戦争を巡り、脆弱(ぜいじゃく)な停戦を恒久的な終結へと転換する期待は揺らいだ。
交渉が決裂したのは核問題を巡る相違が原因だと、トランプ氏は12日にSNSのトゥルース・ソーシャルへの投稿で述べた。「直ちに発効する。世界最強の米海軍が、ホルムズ海峡の往来を試みるあらゆる船舶を封鎖するプロセスに着手する」とトランプ氏は述べ、「われわれや平和的な船舶に発砲するイラン人は徹底的に打ちのめされる!」と警告した。
米中央軍は12日、米東部時間13日午前10時(日本時間13日午後11時)から、封鎖を開始すると発表した。軍は声明で「封鎖は、アラビア湾およびオマーン湾に面する全てのイランの港を含め、イランの港湾および沿岸地域に出入りするあらゆる国の船舶に対して、公平に適用される」とした。
トランプ氏はFOXニュースとのインタビューでは、ホルムズ海峡の封鎖について、実施には少し時間がかかるが「程なく効果が出る」と述べた。
米国とイランが和平合意に至らなかったことに加え、トランプ氏の警告もあり、先週成立した停戦は宙に浮いた状態となっている。トランプ氏は、イランに通航料を支払った船舶は全て米海軍が拿捕(だほ)するとしたほか、ホルムズ海峡の機雷除去も行うと述べた。
同氏はまた、英国が掃海艇を派遣すると指摘し、同盟国が封鎖に協力する可能性にも言及した。
ただ、英政府の立場に詳しい関係者によると、英国は封鎖には参加しない。英国は同地域に自律型の機雷探知ドローンを保有しているが、他の同盟国と連携して海峡を再開する現実的な計画がまとまった場合にのみ展開する方針で、トランプ氏の封鎖計画とは別の対応になるという。
イランの精鋭部隊であるイスラム革命防衛隊(IRGC)は、トランプ氏の封鎖方針に対し、ホルムズ海峡に「いかなる口実であれ」軍艦が接近を試みた場合は停戦違反とみなされると表明した。イラン国営テレビが伝えた。
パキスタンでの和平協議で米代表団を率いたバンス副大統領は12日、イランが核兵器を追求しないとの確約を示さなかったため、交渉団は合意を得ずに帰国すると記者団に語った。
バンス氏は「われわれは極めて単純な提案、最終かつ最善の案を提示した」とし、「イランがそれを受け入れるか見極める」と述べた。
合意に至らなかったことは「米国よりもイランにとってはるかに悪い知らせだ」とバンス氏。「われわれはレッドラインや譲歩可能な点、不可能な点を極めて明確にしてきた。可能な限りはっきりと伝えたが、彼らはわれわれの条件を受け入れない選択をした」と述べた。
イラン外務省のバガエイ報道官は、双方が様々な問題について理解に達したものの、「2、3の重要な点」でなお見解の相違が残っていると述べた。
「当然、最初から1回の会合で合意に達すると期待すべきでなかった」と同報道官は会談後に国営テレビで語り、「外交に終わりはなく」、イランは「いかなる状況下でも国益を追求し続ける」と付け加えた。
トランプ氏はSNSで、「会談は順調にいき、ほとんどの点で合意したが、本当に重要な1点、すなわち核については合意に至らなかった」と指摘。「さらに、われわれは完全に『準備万端』であり、適切な時期に米軍はイランの残存戦力を完全に排除する!」とした。
合意不成立は市場に衝撃を与え、安全資産への需要を押し上げる可能性が高いと、アナリストらは指摘する。
ATグローバル・マーケッツのチーフ市場アナリスト、ニック・トゥイデール氏は「先週は慎重ながら期待が高まっていたが、停戦発表前の水準に逆戻りする可能性がある」とし、「原油とドルはいずれも上昇して始まるだろう」と述べた。
今回の協議を仲介したパキスタンは、双方に停戦維持を呼びかけた上で、今後数日間も仲介を続けると表明した。
イスラエル当局者の初期反応として、安全保障内閣のメンバー、ゼエブ・エルキン議員は12日、停戦期間はまだ終了していないとし、「さらなる協議を生み出す試みが行われる可能性がある」と述べた。

バンス氏は11日にイスラマバードに到着し、ウィトコフ特使やトランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏らと共に、ガリバフ国会議長が率いる総勢70人余りのイラン代表団と交渉していた。
バンス氏は「核兵器を追求せず、迅速な開発を可能にする手段も求めないという明確な確約が必要だ。それが米大統領の中核目標であり、われわれは交渉を通じてその達成を目指してきた」と説明した。
直接協議はイスラマバード時間11日午後5時30分に始まった。1時間後には技術専門家チームが加わり、ホルムズ海峡や停戦延長の可能性、段階的な制裁緩和を巡って議論が行われたと、事情に詳しい米国とパキスタンの当局者は述べた。
トランプ氏は、イランの核開発抑制が戦争の理由の一つだとし、12日にはイラン指導部について、「彼らは資金、そして何より核を求めている」と述べた。
またこれに先立ちトランプ氏は、「合意が成立するかどうかは私にとって問題ではない。なぜならわれわれは勝利しているからだ」と述べていた。
イラン代表団のガリバフ議長は協議前から慎重姿勢を示し、イスラマバード到着時に「善意はあるが、信頼はない」と述べていた。
またイランは、レバノンでの停戦が協議の前提条件であるべきだとも主張している。
原題:Trump Vows to Blockade Hormuz After US-Iran Peace Talks Fail (3)
、Trump Says US to Sever Iran Lifeline With Blockade of Strait (1)
、Trump Says Blockade of Hormuz Strait to Take Effect ‘Soon’(抜粋)