- マジャル氏率いる野党「ティサ」、議会で圧倒的多数確保する見通し
- 権威主義化が進む中、マジャル氏は変革を掲げる訴えで支持を広げた

ハンガリーで12日投開票された総選挙で、16年にわたり政権を担ってきたオルバン首相を新興野党が破った。欧州連合(EU)やロシア、トランプ米政権との関係見直しにつながる歴史的な選挙となった。
ペーテル・マジャル氏率いる野党「ティサ(尊重と自由)」は議会で圧倒的多数を確保する見通しとなり、オルバン政権が築いた非自由主義的な体制を解体するという大胆な公約の実現を可能にする。ブダペストの選挙管理当局によると、開票率90%の段階でティサは議席の69%を獲得し、オルバン氏の与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」は28%にとどまった。
マジャル氏はドナウ川とライトアップされた議事堂を背に壇上で、「われわれはともにオルバン体制を解体した」と熱狂する支持者に語った。「ハンガリーを解放し、われわれの国を取り戻す」と強調した。
オルバン氏は敗北を認め、支持者に対し結果は自身にとって「痛み」を伴うものだと語った。マジャル氏の勝利を祝福したとも明らかにした。為替市場では、開票の途中結果公表を受け、通貨フォリントは対ユーロで3年ぶりの高値に上昇した。

元与党関係者のマジャル氏(45)は、権威主義化が進む中、この2年、変革を掲げる訴えで支持を広げた。開票が進む中、首都ブダペストではドナウ川沿いで車のクラクションが鳴り響き、人々が通りに繰り出すなど勝利を祝う光景が見られた。
今回の結果は、オルバン氏の続投を望んでいたトランプ氏やロシアのプーチン大統領にとって打撃となる。トランプ氏はオルバン氏に対して重ねて支持を表明し、投票直前にはバンス副大統領をブダペストに派遣して応援に当たらせた。
今回の結果は、欧州のナショナリスト勢力にとっても敗北を意味する。オルバン氏はその先駆者であり、欧州議会で第3勢力となっている会派「欧州の愛国者」を主導してきた存在だった。
一方、長年にわたりオルバン政権の妨害に苦しんできたEUにとっては大きな安堵(あんど)となった。プーチン政権は、EU内での分断をあおり、ウクライナ支援を妨害し、対ロ制裁の弱体化を図るうえでオルバン政権に依存してきた。
今回の敗北は、ロシアの全面侵攻から4年以上が経過したウクライナにとって不可欠な900億ユーロ(約16兆8000億円)の支援の実行につながる可能性が高い。
EUの行政執行機関、欧州委員会のフォンデアライエン委員長はX(旧ツイッター)に、「ハンガリーは欧州を選んだ」と投稿し、「欧州も常にハンガリーを選んできた。ともにあれば、より強くなれる」と強調した。
原題:Hungarians Sweep Away Orban After 16 Years in Seismic Vote (3)(抜粋)