[ニューヨーク 26日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが大半の主要通貨に対し上昇。週内に行われるパウエル米連邦準備理事会(FRB)新議長の議会証言が、今後のドルの動向を左右する可能性があるとして注目されている。今週は主要経済指標も相次いで発表される。
 パウエル議長は27日、金融政策報告書の提出に合わせ、下院金融サービス委員会で半期に一度の議会証言を行う。FRB議長就任後、初の議会証言となる。上院銀行委員会では3月1日に証言する。

アキシトレーダーの市場アナリスト、ジェームズ・ヒューズ氏は「初期のスタンスではイエレン前議長と大差ないと考えられる」とし、「米経済は極めて好調に推移しており、緩やかな利上げというのが最も最適な政策行動となるだろう」と述べた。また今週は、消費者信頼感指数や第4・四半期米国内総生産(GDP)改定値、個人所得・消費など、主要指標の発表が集中する。

終盤の取引で、ドル/円JPY=は小幅高で106.92円。ドルは対スイスフランCHF=、ポンドGBP=、カナダドルCAD=でも上昇した。一方、ユーロ/ドルEUR=は0.1%高の1.2312ドル。

3月4日に実施されるイタリア総選挙など欧州での政治イベントを巡る警戒感から、投資家は大きなポジション構築に消極的になっていることも指摘された。週内に発表されるユーロ圏インフレ指標にも注目が集まる。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁はこの日、欧州議会の経済金融委員会で証言し、ユーロ圏経済の成長の勢いは力強くなっているため、インフレ見通しに対する確信を一段と深めたとしながらも、ECBの政策については忍耐と粘り強さがなお必要となっていると述べた。