ジェローム・(ジェイ)・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は、株式市場は経済の一要素ではあるが経済そのものではないと、初の議会証言で話しました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

実はタカ

パウエル議長は証言前は「少しハト派的かもしれない」との臆測があったが、実際は「イエレン前議長とトーンが変わらない」ため、ドルは上昇したとABNアムロは分析。トロント・ドミニオン銀行のマーク・マコーミック氏はドル上昇について、「スクイーズの増幅に一役買っているが、これはユーロと円のロングを再構築する好ましい水準を提供する」と指摘した。債券市場では今年の利上げは3回では終わらないとの見方が広がった。

欧州の週末

週末のイタリア総選挙、ドイツ社会民主党(SPD)の党員投票のどちらかで、予期せぬ結果が出た場合、市場が動揺する恐れがあるとソシエテ・ジェネラルとアビバ・インベスターズは分析。ドイツ大連立の否決というテールリスクが現実となれば、1ユーロ=1.20ドルへのユーロ下落もありそうだという。

光差す

JPモルガン・チェースは米金利上昇と融資の伸び加速で、向こう数年間に利益を70億ドル(約7500億円)上積みできると予想。中期の税引き前利益見通しを引き上げた。トレーディング収入についても、2018年1-3月(第1四半期)に「1桁台半ばから後半」のペースで伸びると想定。市場ボラティリティーの急上昇に後押しされ、低迷から抜け出しそうだという。

ゴルディロックスとの別れ

ブリッジウォーター・アソシエーツのレイ・ダリオ氏は、熱すぎも冷たすぎもしないゴルディロックスの環境は終わると発言。欧州よりも景気サイクルで先を行く米国は、金融政策による刺激策を解除し、利上げが早まるだろうと述べた。

忘却のノーマル

パウエル議長が議会で示した従来路線には誰も驚かない。しかし市場も経済も昨年までが例外であり、今や危機前のモデルに回帰している証拠は増えている。「ノーマル」とは実際にどのようものだったのか。忘れているのなら、早めに思い出すのが賢明だと、キャメロン・クライス氏は寄稿。