イギリスで起きたロシアの元スパイの男性と娘に対する暗殺未遂事件を受けて、イギリス、アメリカ、フランス、ドイツの4か国の首脳は異例の共同声明を発表し、事件を強く非難したうえでロシアに対してすべての疑問に答えるよう求めました。イギリス南部のソールズベリーで今月4日、ロシアの元スパイが娘とともに意識不明の状態で見つかり、メイ首相はロシア軍が開発した神経剤を使った暗殺未遂事件だとしてロシアの責任を主張し、イギリスに駐在するロシアの外交官23人を追放するなど厳しい措置を発表しました。
事件を受けて15日、イギリス、アメリカ、フランス、ドイツの4か国の首脳は異例の共同声明を発表し、「軍事目的に利用される神経剤がヨーロッパで使用されたのは第2次世界大戦以来、初めてのことだ。化学兵器禁止条約にもいかなる国際法にも明らかに違反しており、われわれの安全を脅かすものだ」として事件を強く非難しました。
そして「事件の責任はロシアにある可能性が高いとするイギリスの見解を、われわれも共有する」として、ロシアに対して事件に関するすべての疑問に答えるよう求めています。一方、メイ首相は15日、事件後初めてソールズベリーの事件現場を視察し、報道陣に対して「人々が楽しむはずの町でおきた大胆で卑劣な行為に対して、ロシアがとがめられるべきだと考えている」と述べ、改めてロシアを非難しました。
トランプ大統領「背後にロシア人」
アメリカのトランプ大統領は、この事件について15日、ホワイトハウスで記者団に「本当に悲しい状況だ。ロシア人が背後にいることは確かなようだ。二度と起きてはいけない。われわれは深刻に受け止めている」と述べ、ロシアに事件の責任があるとの見方を示しました。