• ドルは円に対しては上昇、遅い時間に上げ幅拡大-105円40銭近辺に
  • 米中の政府当局者、貿易に関し楽観的な見方示す

26日のニューヨーク外国為替市場ではドルが幅広く下落。ドル指数は前週末に続いて下げ、2月中旬以来の低水準となった。米中政府当局者の発言を受けて貿易を巡る緊張感が和らぎ、リスク選好度がにわかに高まった。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時、0.5%下げて2月15日以来の安値を付けた。ドルは新興国通貨の大半に対しても下落。ただ円に対してはしっかりとなった。トランプ米大統領の通商顧問を務めるナバロ国家通商会議(NTC)委員長は26日CNBCに対し、非常に良い北米自由貿易協定(NAFTA)合意が得られることを楽観するとしたほか、米国はすでに中国と交渉のテーブルに着いていると述べた。

ニューヨーク時間午後4時40分現在、ドル指数は前週末比0.4%安。ドルは対円で0.7%上げて1ドル=105円42銭。対ユーロでは0.8%下落し1ユーロ=1.2451ドル。貿易関連ではこのほか、 中国市場はさらに開かれる見通しで、貿易戦争に勝者は存在しないとの見方を中国の李克強首相が示した。

 

ユーロはドルに対しここ1カ月余りの高値を付け、主要10通貨の大半に対して値上がりした。英国で元ロシア情報員が神経剤で襲撃された事件への対応として、米国とカナダ、欧州連合(EU)がロシア外交官の国外退去を命じた後、ユーロは上昇幅を拡大した。この日は、ハト派で知られるサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁がニューヨーク連銀総裁の後任として有力候補だと報じられたことが、ドル軟調の一因となった可能性がある。

欧州時間の取引

ドル指数は5週間ぶり安値を付け、米国債相場も下落した。ムニューシン米財務長官が前日、貿易関税を巡って米国が中国と合意をまとめられるとの楽観的な見方を示したことから、安全資産への需要が衰えた。