[ワシントン 11日 ロイター]ー 米連邦準備理事会(FRB)が公表した、3月20─21日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨によると、メンバー全員が向こう数カ月間に国内景気が底堅さを増し、インフレ率も上昇するとみていたことが分かった。トランプ政権の通商・財政政策の影響に対する警戒感もうかがえた。

議事要旨は「今四半期以降の経済見通しはここ数カ月間でより明るくなった」とした。「さらに、向こう数カ月間で12カ月ベースの物価上昇圧力が増すと全ての参加者が見込んでいる」と付け加えた。

パウエルFRB議長は6日、物価上昇ペースを抑制するためには引き続き金利を上げる必要があるだろうとした上で、段階的な引き上げを続ける姿勢を示した。一方議事要旨では、FRBが利上げペースを上げなければならないと何人かの参加者が考えていることが明らかになった。複数の参加者が、経済と物価の見通しを踏まえると、利上げペースを上げることとなるかもしれないと発言。何人かは、いつかの時点でFRBが声明の文言を変え、より正常な金融政策、もしくは景気過熱の「抑制要因」となる金融政策へ移行することを示すことが必要となるかもしれないとした。複数の当局者が、いずれかは金利が一時的にFRBの長期見通しを超えることも適切かもしれないと発言。

米国と中国の報復関税の応酬を巡る懸念も明らかになった。議事要旨は「参加者の大半が、他国による報復措置の可能性や、通商政策に関連したその他の問題や先行き不透明感が、米経済の下振れリスクとみなした」と記載。FRBは5月1-2日に開催される次回会合で金利を据え置くとみられる。その後の6月中旬の会合では大半の投資家が利上げを見込んでいる。