[ニューヨーク 14日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが序盤の下落分を消してプラス圏に浮上した。ドルは先週4カ月超ぶりの高値を付けたが、投資家はこのドル高相場の勢いが失速したかどうか判断しようとしている。米国債利回りの上昇を受けて米国と他国の金利差が際立つ中、ドルはこのところ上昇。ただ、先週発表された4月の米消費者物価指数(CPI)が軟調だったことで、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが今年4回になるとの期待が後退した。
TD証券(トロント)の北米FX戦略部長、マーク・マコーミック氏は、ドル高の勢いがやや陰り始めつつあるとした上で、「市場は現時点で、ドルがさらに上昇するかどうか見極めようとしている」と述べた。ドル指数.DXYは一時、今月2日以来の水準である92.243に下落。その後、0.09%高となる92.619に持ち直した。
ユーロは上昇。欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁が利上げ開始時期について、ECBが新たなガイダンスを示す可能性があると述べたことを受けた。
モルガン・スタンレーの通貨戦略責任者、ハンス・レデカー氏は「双子の赤字は借り入れコストが増えることで民間投資を縮小させ、起こる公算は低いものの大幅な生産性向上がなければ、ドル高継続の可能性も低い」と顧客リポートで指摘した。
市場が注目する今週のイベントは、FRBやECB当局者の講演のほか、15日発表のドイツGDP速報値など。
ドル/円
NY終値 109.65/109.67
始値 109.49
高値 109.66
安値 109.42
ユーロ/ドル
NY終値 1.1925/1.1929
始値 1.1982
高値 1.1996
安値 1.1927