Photographer: Qilai Shen/

米国と中国は双方に打撃となる貿易戦争を回避する意思を示唆した。トランプ米大統領は米政府の制裁で苦境に立った中国の通信機器メーカー、中興通訊(ZTE)を巡り救済策を模索する意向を明らかにし、中国側は劉鶴副首相の訪米を決めた。

劉鶴副首相、写真家:Qilai Shen / Bloomberg

経済問題で習近平国家主席のトップアドバイザーである同副首相は15日から訪米し、ムニューシン米財務長官と通商問題を協議する。中国外務省が発表した。

一方、中国当局は米クアルコムによるオランダのNXPセミコンダクターズ買収の承認申請について審査を再開したとブルームバーグ・ニュースが事情に詳しい関係者の話を基に伝えた。貿易を巡る米国との緊張の高まりを受けて審査は棚上げになっていた。

トランプ大統領は13日、ZTEについて「速やかに事業に戻る方策」を同社に示すため、習主席と協力しているとツイート。通商問題での中国への対立姿勢を大きく転換させた。何らかの見返りがあったかどうかは現時点で明らかでないが、クアルコムの買収が中国当局に承認されれば、貿易戦争回避に向けた大きな一歩となる。

原題:Trump, Xi Ease Trade Tensions With ZTE, Qualcomm Reversals (2)(抜粋)
Trump, Xi Ease Trade Tensions With ZTE, Qualcomm Reversals (3)