「もはやアメリカ・ファーストではなく、アメリカ・アローンだ」。2016年に共和党の大統領候補指名をめぐってトランプ氏と争ったオハイオ州のジョン・ケーシック知事は嘆き、トランプ政権が純然たる保護主義へと歩み始めたと警告しました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
まだ戦争ではない
トランプ政権は貿易相手国や産業界の訴えを退け、欧州連合(EU)とカナダ、メキシコへの鉄鋼・アルミ関税を発動する。トロント・ドミニオン銀行のマーク・マコーミック氏はただ、現状は貿易戦争というより「まだ貿易紛争だ」と指摘。自動車関税はもっと大きなインパクトがあるだろうと話した。米国株式相場は下落。モルガン・スタンレーによれば、アルミ大手の米アルコアは自社最大の精錬所をカナダに置いており、関税発動はマイナスに作用。他のアルミ大手もコスト高の影響が続くという。一方で米鉄鋼産業は雇用と生産が回復するとして、関税賦課を歓迎した。
巨人同士
ソフトバンクのビジョン・ファンドから22.5億ドル(約2450億円)の投資を受けることが決まった米GMは、自動運転部門を将来切り離すだろうとの臆測が複数のアナリストから出ている。シティグループはビジョン・ファンドの投資を米GM自動運転部門への「大きな信任票」だと評価。ドイツ銀行のロッド・レ-チェ氏は、他にも戦略的投資家が現れる可能性があり、新規株式公開(IPO)への道筋が示唆されるだろうと述べた。
日程の言及なし
北朝鮮労働党の金英哲副委員長と会談したポンペオ米国務長官は、「想定される」米朝首脳会談に向けた環境整備で実質的な進展があったが、「難しい課題であることは間違いない」と述べた。当初6月12日とされていた首脳会談の日程には言及しなかった。トランプ大統領によれば、北朝鮮代表団は6月1日にワシントンに赴き、トランプ大統領に金正恩委員長からの親書を手渡す。大統領は米朝合意に至るまでに会談が一度で済む可能性は低く、2、3回行われる可能性を示した。
ユーロ中道派
イタリア新政府の陣容が紆余曲折を経てようやく決定し、フィレンツェ大学のジュゼッペ・コンテ教授が首相指名を受諾した。ジョバンニ・トリア氏を財務相とする新内閣は現地時間6月1日に宣誓就任する。ローマ大学トルベルガータ校で経済政策を教えるトリア氏(69)は昨年、「ユーロを無条件に離脱すればすべての問題が解決するとの主張は間違っているが、かといってユーロは後戻りできないとしたドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言も正しくない」とソレ24オレ紙に寄稿した。
追い打ち
4月に最高経営責任者(CEO)を交代し再出発を図っているドイツ銀行の株価が、31日の取引で過去最安値を更新した。米子会社が連邦準備制度理事会(FRB)の問題銀行リストに追加され、連邦預金保険公社(FDIC)の監視対象に加わったと事情に詳しい関係者が明らかにした。FDICは米国の預金保険の対象となっているドイツ銀子会社を、存続が脅かされるほどに財務に弱さがある銀行のリストに加えた。同行の株価は年初来42%下げている。
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