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ホワイトハウスの対応鈍く、情報はロシア側から伝わるのみ
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会談内容判明まで、米ロ首脳の1対1は控えるべきだ-シューマー氏
トランプ米大統領がロシアのプーチン大統領に訪米を招請していたことが明らかになり、騒ぎが拡大している。ヘルシンキで今週行われた米ロ首脳会談で議論された内容を巡り、米国内で不安が強まった。
2時間以上にわたった1対1での会談で話し合われた詳細はロシア側から漏れ伝わってくるのみで、ホワイトハウスの説明は遅く曖昧で、矛盾していることもある。この会談でプーチン氏は元駐ロシア米大使に対するロシア側の尋問を提案したがホワイトハウスの反応は明確でなく、上院は19日、珍しく全会一致でこの拒否を求める決議を可決した。
コーツ米国家情報長官ですら、首脳会談で何があったか「分からない」と発言。コロラド州アスペンを訪れていた同長官は、NBCの番組中にトランプ氏がプーチン氏の今秋訪米を要請していたことを聞くと、「何だって?」と不意を突かれた様子を見せた。
元駐ウクライナ米大使で現在はブルッキングズ研究所のシニアフェローを務めるスティーブン・パイファー氏は、「ホワイトハウスはヘルシンキ会談の内容説明を基本的にロシアにやらせている」と指摘。「会談での合意内容は米国の利益になっていないとの観測が強まりつつある」と続けた。米政府は通常、首脳会談があった際には数時間以内に記者会見で詳細を説明するが、ヘルシンキ会談後にこのような説明は行われていないという。
シューマー民主党院内総務は発表文で「ヘルシンキで行われた1対1の会談時に何が起きたか判明するまで、トランプ大統領はプーチン大統領と1対1の連絡を取るべきではない。米国でも、ロシアでも、どこででもだ」と主張した。
外交問題評議会(CFR)の上席客員研究員ジェームズ・ゴールドガイアー氏は、首脳会議でトランプ氏がプーチン氏に示唆した内容の理解についてはボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)やポンペオ国務長官らホワイトハウス高官も「われわれと同じ状況だ」とし、「トランプ氏が『これが会談内容だ』と言ったとしても、真偽は分からない。誰も確認するすべがないからだ」と語った。
原題:Trump Feeds Summit Uproar With Plans for Another Putin Meeting(抜粋)