英国の欧州連合(EU)離脱でEU側の首席交渉官を務めるミシェル・バルニエ氏は、アイルランドと英国領北アイルランドとの間に厳しい国境管理を要する事態を回避するため、従来案に代わる新提案を検討することに前向きだと述べ、姿勢を軟化させた。バルニエ氏の会見を受け、ポンドは上昇した。

バルニエ氏はメイ英首相が提示した新たなEU離脱計画について、一部に疑問があるとしつつ、共同して作業できる基盤になる要素もあると指摘。アイルランド国境問題に関しては、従来のEU案を修正・改善することに前向きだと述べた。EUの従来案は英国が繰り返し受け入れ不可能だと表明していた。

バルニエ氏は「事態を冷静に整理する必要がある」とし、「前進できる方策を見いだせると確信している」と語った。

アイルランド国境問題が英EU間の主要問題に浮上し、英国の離脱交渉は事実上、数カ月にわたり停止していた。EUはこれまで、英国がアイルランド国境問題で実行可能な計画をまとめて初めて、離脱後の通商条件や1年9カ月の移行期間で合意が可能になると主張している。

原題:Barnier Offers Encouragement on Brexit to Battered U.K. Leader(抜粋)