雑貨店のガラスケースに並ぶ商品。練り歯磨きには300万ボリバルの値札がついていた=5月21日、ベネズエラ・カラカス

 【サンパウロ時事】ベネズエラのマドゥロ大統領は26日までに、極度のインフレに対処するため、通貨ボリバルを10万分の1に切り下げるデノミ(通貨呼称単位の変更)を8月20日に実施すると発表した。10万ボリバルが1ボリバルとなる。

マドゥロ氏は当初、6月4日に1000分の1の通貨切り下げを実施するとしていたが、準備不足のため8月4日に延期。進行するインフレのペースに追い付かないため、再延期した上で切り下げ幅を拡大する。強硬な反米左派のマドゥロ氏はインフレについて「米帝国主義の経済、財政的迫害」などが原因と主張。「ベネズエラは通貨の変革を必要としている。国の生産力、購買力を全面的に回復させよう」と協力を呼び掛けた。

ベネズエラは世界有数の産油国だが、ばらまき政策が招いた財政赤字の穴埋めのため紙幣を乱発。極端な物資不足でハイパーインフレに陥っており、国会によると昨年のインフレ率は2600%を超えていた。