29日のニューヨーク外国為替市場ではポンドが急伸。英国が欧州連合(EU)離脱を巡り、EUと合意に達するとの楽観が広がった。ユーロは欧州時間は軟調だったが、その後欧州の国債利回りが全般的に上昇する中で上げに転じた。

ポンドは8月6日以降で初めて1ポンド=1.3000ドルを上回った。英国のEU離脱問題でEUの首席交渉官を務めるバルニエ氏はベルリンで、前例のない特例的な提携関係を英国に提案する用意がEUにはあると発言した。

ポンドは円に対しては一時1.7%高と、昨年9月15日以来の大幅上昇となった。先に発表された武田薬品工業によるシャイアー買収に関連し、資金フローを巡る臆測が背景にある。

ブルームバーグのドル指数は低下。朝方発表された4-6月(第2四半期)実質国内総生産(GDP)改定値は速報値から上方修正されたが、7月の米中古住宅販売成約指数は市場予想に反して低下した。

ニューヨーク時間午後4時59分現在、ポンドはドルに対し前日比1.2%高の1ポンド=1.3026ドル。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%低下。一時0.2%上昇となる場面もあった。ユーロは対ドルで0.1%上げて1ユーロ=1.1707ドル。ドルは対円で0.4%上昇の1ドル=111円68銭。

ドルは主要10通貨に対して総じて下落。円とオーストラリア・ドルに対して上げた一方、ポンドやスイス・フランに対しては値下がりした。

欧州時間の取引

欧州時間にはユーロが下落。イタリア政府が欧州中央銀行(ECB)に新たな債券購入プログラムを認めるよう求めているとの一部報道に反応した。イタリアのディマイオ副首相はその後、この報道を否定した。

原題:Pound Rallies, Yen Tumbles Amid Brexit Optimism: Inside G-10(抜粋)
Euro Dips on Italy-ECB Report; Risks Weigh on Krona: Inside G-10