米NYタイムズ「米ホワイトハウスにも伝達済み」とも
【ワシントン会川晴之】サウジアラビアのジャマル・カショギ記者がトルコのサウジ総領事館で殺害されたとされる疑惑で、米紙ニューヨーク・タイムズは18日、サウジ側は、ムハンマド皇太子に取り立てられたアシリ将軍を事件の責任者とすることで、事態収拾を図る構えだと報じた。米ホワイトハウスにも伝達済みだとしている。
同紙によると、サウジは国際的な批判の高まりを受け、「関与していない」との全面否定を改める方向で調整している。新たなシナリオは、カショギ氏を拘束してサウジ国内で尋問することをムハンマド皇太子が指示したものの、アシリ氏が「命令を取り違え、カショギ氏を殺害してしまった」との内容になる見通しという。アシリ氏は皇太子の情報担当顧問を務めている。
一方、トランプ米大統領は18日、カショギ氏が死亡したとされていることについて「確かにそのように見える」と述べ、死亡している可能性が高いとの見方を初めて示した。この日のニューヨーク・タイムズ紙のインタビューでも「よほどの奇跡がない限り、死亡したと認めざるを得ないだろう」と述べた。根拠は「あらゆるところからの情報に基づく」としている。
トランプ氏の法律顧問を務めるジュリアーニ元ニューヨーク市長は17日、「ホワイトハウス幹部は、1週間以上前にサウジが殺害したと結論づけた。問題は誰が命令したかという点だ」と米メディアに語っている。
一方、ムニューシン米財務長官は18日、サウジアラビアで23日から開かれる国際会議「未来投資イニシアチブ」への不参加を表明した。テロ資金規制問題をテーマに講演する予定だったが、カショギ氏殺害疑惑が拡大し、欠席に踏み切った模様だ。
フランスのルメール経済・財務相、英国のフォックス国際貿易相、ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事、キム世界銀行総裁のほか、大手民間企業も既に参加見送りを表明している。
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