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関税や金利上昇、労働市場のひっ迫で不透明感が高まる
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関税への言及は約40回、幅広いコスト上昇引き起こしたと指摘
米連邦準備制度理事会(FRB)が5日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、大半の地区が緩慢ないし緩やかな景気拡大を報告した。ただ4地区は拡大ペースが鈍化あるいは「わずかな」拡大にとどまったと説明した。
ベージュブックは「大半の地区では、企業は引き続き明るい見方を持っているものの、一部では関税や金利上昇、労働市場の逼迫(ひっぱく)が影響して不透明感が強まり、楽観が後退した」と記した。
今回のベージュブックは12地区連銀が11月26日までに集めた情報を基に、フィラデルフィア連銀が作成した。次回12月18、19日の連邦公開市場委員会(FOMC)での討議資料となる。
ベージュブックは、「半数を超える地区で、要件を満たした労働者の獲得・維持ができず、雇用や生産、また時として生産能力の拡大が抑制された企業があった」と指摘した。
また「労働力不足の影響もあり、大半の地区は雇用の伸びについて、緩慢ないし緩やかなペースの中でも遅い方に傾いたと報告した」と説明。「逆に、大半の地区は賃金の伸びについて、緩慢ないし緩やかなペースの中でも速い方に傾いた」と加えた。
全般的な物価に関しては、大半の地域で緩やかに上昇。住宅価格は過半数の市場で上昇が続いたとされた。
今回の報告はまた、関税に関する記述が目立ち、言及回数は約40回に上った。「関税が引き起こしたコスト上昇は、製造業や建設業から広がり、小売業や外食産業に至った」と記された。
原題:Fed Says Growth Still Modest or Moderate While Optimism Ebbs (1)(抜粋)