石油輸出国機構(OPEC)は原油減産を巡る行き詰まりをようやく打開し、2日間に及んだウィーンでの総会を終了した。加盟国と非加盟産油国を合わせた「OPECプラス」は、予想を上回る規模の減産に合意した。
減産は合計で日量120万バレルで、このうちOPEC加盟国の負担は同80万バレル。イランは米国による制裁措置を配慮し、減産から免除された。
減産合意を受けロンドン市場ではブレント原油が急伸し、一時6%を超える上昇となった。今回の合意は、原油価格を抑えるためOPECに減産しないよう圧力をかけていたトランプ米大統領の怒りを買う可能性がある。
会合に出席した出席国の代表らによると、当初の議論はOPECプラスの減産規模を日量約100万バレル、このうちOPECの負担を65万バレルとする案を中心に進んでいた。このため最終的に合意した数字は予想外だった。
BNPパリバのコモディティー市場戦略責任者、ハリー・チリンギリアン氏は「今回のOPEC会合の結果に対する期待がどれほど低かったかを考えれば、この結果は歓迎すべきサプライズだ」と述べ、「OPECは原油相場に前日にはなかった方向感を与えた」と指摘した。
産油国は10月の生産水準を基準として減産し、4月に減産合意を見直す。ロシアのノバク・エネルギー相は、10月の生産の2%に相当する日量22万8000から23万バレル前後を減産すると表明した。ロシアの減産規模はこれまで最大で同15万バレルとみられていた。
原題:OPEC Agrees on Larger-Than-Expected Cut After Marathon Talks (1)(抜粋)