日本とロシアの平和条約交渉で来週、外相会談が開かれるのを前にロシア外務省が声明を発表し、北方領土が第二次世界大戦の結果、ロシアの主権下になったことを認めるよう改めて求めました。交渉の進展に意欲を示す日本にロシアの厳しい姿勢に変わりはないことを示した形です。
北方領土問題を含む日本とロシアとの平和条約交渉では、今月21日にも開かれる安倍総理大臣とプーチン大統領の会談に向けて、来週14日、交渉責任者を務める河野外務大臣とラブロフ外相の交渉がモスクワで行われます。
これを前にロシア外務省は11日、声明を出しました。声明では会談について「双方がそれぞれの立場を明らかにし、もっとも効率的に目標を達成するための方法について意見を交わす」という認識を示しました。
そのうえで「島々は第二次世界大戦の結果、ロシアの主権下になったことを完全に認めることが、平和条約問題の解決策の選択肢を見いだす重要な前提条件だ」と改めて強調しました。
北方領土問題を巡って日本とロシアは去年11月、平和条約の締結後、歯舞群島と色丹島を引き渡すことを明記した日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速させることで合意し、日本は交渉の進展に強い意欲を示しています。
これに対し、今回の声明でロシアとしては厳しい姿勢に変わりはないことを示した形です。