国吉美香 

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日本スポーツ賞の表彰式に出席したJOCの竹田恒和会長=11日、東京都目黒区

 日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長(71)が汚職に関わった疑いがあるとして、フランス当局が訴追に向けた手続きに入っていたと現地紙が報じた。司法手続きは今後、どう進むのか。

 フランスの刑事司法制度に詳しい神奈川大学法科大学院の白取祐司教授によると、検察官の請求を受け、正式な裁判を開くかどうか、予審判事が判断する。予審判事は自ら捜査を指揮し、証拠を集め、容疑者を尋問することもできる。

 裁判を開く必要がないと判断すれば、免訴される。必要ありと判断されれば、あらためて3人の裁判官が審査。ここでも同様の判断がされれば、被告となり、裁判が始まることになる。

 白取教授は「通常、日本在住の人物を、いきなり起訴するということは考えづらい。竹田氏が日本にいるとすればフランス当局の捜査権は及ばず、身柄は拘束されない」と話した。(国吉美香)