英国のメイ首相は自らが欧州連合(EU)と結んだ離脱協定のうち、最も問題視されている部分の修正を求める案を支持する意向を固めた。EU離脱期限が迫る中で、首相はすべての側が支持できるような妥協を模索している。
メイ首相は28日に開かれた保守党の会合で、1年半を費やしてEUと結んだ離脱協定を実質的に放棄。政府全体として協定の修正を支持する方向へとかじを切った。
数百人の保守党議員が集まった議会内の会合で、メイ首相はアイルランド国境を巡るいわゆる「バックストップ」措置を取り除く修正案を支持するよう呼びかけた。この修正案は同党のアンドルー・マリソン、グラム・ブレイディ両議員が提出し、バックストップを「別の措置」に置き換えることを求めている。バックストップは首相が与党内でも受け入れられると見込んでEUと合意した妥協だったが、撤回を求める姿勢を鮮明にした。
メイ首相は、EUに姿勢を変えるよう納得させるには修正案の支持が唯一の道だと述べたという。会合に出席した関係者によると、首相は合意なき離脱の阻止を可能にする議会採決の機会を与えることを約束。2月13日までに交渉に何も進展がない場合は、次にとる動きについて議会に報告するとも語った。
ただEU関係者によると、この修正案でEU側が妥協を模索するようになる可能性はほとんどない。
英下院はすでに一度、首相の離脱案を否決しており、離脱期限である3月29日までに協定を批准しなければ合意なき離脱に陥る。
原題:May Backs Plan to Scrap Brexit Backstop in Struggle for a Deal(抜粋)
U.K. Govt Said to Support Amendment Ditching Brexit Backstop
May Backs Plan to Scrap Brexit Backstop in Struggle for Deal (1)