Margaret Collins

ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)
ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO) Photographer: Stefan Wermuth/Bloomberg

米資産運用会社ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は「現代金融理論(MMT)」を支持しない考えを示した。

  フィンク氏は7日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、MMTは「くず」だと一蹴。「財政赤字は非常に重要な問題だと私は確信している。財政赤字は金利をずっと高く、持続不可能な水準に押し上げる可能性があると私は強く信じている」と述べた。

  MMTを支持するエコノミストらは、米国は借り入れが自国通貨建てであることから、紙幣を印刷して借金を賄うことができ、破綻はあり得ないと主張する。アレクサンドリア・オカシオコルテス氏ら当選1期目の民主党議員らが、グリーン・ニューディールや国民皆保険など社会政策の原資の1つとして支持に回っている。

  米議会予算局(CBO)によると、米財政赤字は数年以内に1兆ドルを突破するとみられている。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は先週、MMTを「誤り」だと指摘。サマーズ元財務長官やノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏も批判している。

  一方で否定的に見ていない人がいることも事実だ。パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)の元チーフエコノミスト、ポール・マカリー氏は、自身は「正真正銘のMMT支持者ではない」ものの、強い共感を覚えると述べている。

  フィンク氏は「MMTは財政赤字が害をもたらし多過ぎると分かるまで、借り入れを続けられるという理論だ。親である私からすれば、子どもの素行が悪くてもずっとただそれを見ているだけで、手が付けられなくなるまで放っておくことと同じだ。良いアプローチではないと思う」と述べた。

原題:BlackRock CEO Fink Says Modern Monetary Theory Is ‘Garbage’ (2)(抜粋)