政情不安が続き治安が悪化している南米のベネズエラでは、今月に入り各地で略奪行為が多発しています。現地の日本大使館では、外出できない日系人の生活を支援するために食料や飲料水などの供給を始めました。

ベネズエラでは、反米路線を掲げ独裁を続けるマドゥーロ大統領と、暫定大統領への就任を宣言しアメリカの支援を受けるグアイド国会議長が対立し、混乱が続き治安も極端に悪化しています。

すでに、現地に駐在していた日本企業の関係者は全員が国外に退避し、日本人学校も閉鎖されていますが、国内には今も400人余りの日系人が暮らしていて、生活に困窮するケースも増えています。

このうち、首都カラカス近郊のスリア州マラカイボ市では、今月に入り停電が頻発し、大規模な略奪行為が起きており、50余りの日系人の家族が外出できない状態が続いています。

このため、現地の日本人会の要請を受けた日本大使館は、19日までに米やパスタなど210人分の食料と180リットルの飲料水を、カラカスから陸路で運び、供給を始めました。

日本大使館の岡田憲治大使は「大変な思いをしている日系人の人たちの生活の助けに少しでも役立ててほしい」と話しています。