【ニューヨーク時事】政府が借金をいくら膨らませても問題はないとする「現代金融理論(MMT)」を提唱するステファニー・ケルトン米ニューヨーク州立大教授は15日、インタビューに応じ、2020年の大統領選に野党民主党からの出馬を表明したバーニー・サンダース上院議員の政策顧問に就くと明らかにした。左派色の強い国民皆保険制度など、公約に掲げる財政拡大策の立案に携わる。
ケルトン教授は16年の大統領選でもサンダース氏の顧問を務めた。インタビューでは「財政規律よりも財政拡大を優先し、失業者をなくすべきだ」と主張。「MMTは日本が直面するデフレの解毒剤になる」とも語り、今年10月の消費税増税は「経済にデフレ圧力をかけることになり、間違いだ」と明言した。
日銀の金融政策については「ゼロ金利を放置しておけばいい」と提言した。また、「日本政府が自主的にデフォルト(債務不履行)を宣言することはないと賭けてもいい」と語るとともに、「債務が日本(経済)に負のコストを強いている証拠はない」と指摘。日本は財政拡大による経済成長を目指すべきだとした。
ケルトン教授は「財政赤字を増やしても低インフレ環境では金利上昇やデフォルトは起きない」との学説を唱えていることで有名。借金奨励とも言える主張により、主流派の経済学者から「異端者」扱いされているが、貧富の差の縮小に向け大規模な財政政策が必要と訴える民主党の一部で支持が広がりつつある。