[ニューヨーク 29日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。米中貿易摩擦が早期に収束する兆しが見られない中、投資家は安全資産に注目し、債券や金などの投資妙味が高まった。ドルのほか、円やスイスフランなどにも買いが入った。
中国の共産党機関紙・人民日報が論説記事で、貿易戦争を巡る米国への対抗手段としてレアアース(希土類)を利用する用意があると表明。
これを受け、リスク回避の動きが強まり、指標となる米10年債利回りUS10YT=RRは2017年9月以来の水準に低下。ニュージーランド債利回りも過去最低水準に沈んだ。
豪ドルやニュージーランドドルAUD=NZD=などの資源国通貨のほか、南アランドZAR=やブラジルレアルBRL=などの新興国通貨の売りも膨らんだ。 一方で、主要国通貨は主要な支持水準近辺でほぼ変わらずで推移したというアナリストの指摘も聞かれた。
終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.23%上昇の98.173。前週付けた2年ぶり高水準の97.908を小幅下回る水準にとどまった。 ドル/円JPY=は109.65円、ドル/スイスフランCHF=は1.0081フランと、ともにほぼ変わらず。
ユーロは対円とスイスフランで小幅下落し、それぞれ122.075円、1.1227フランとなった。 中国人民元CNY=CFXSは1ドル=6.9130元と、5カ月半ぶりの安値を付けた。
カナダドルCAD=D4は対米ドルで下落し、5カ月ぶり安値となる1.3547カナダドルを付けた。カナダ銀行(中央銀行)が政策金利を予想通り1.75%に据え置いたことを受けた動き。中銀は、経済減速が一時的である兆候が多く見られ、第2・四半期には成長が加速するとの見方を示しつつも、世界的な通商リスクが上昇している」と指摘した。
ドル/円
NY終値 109.58/109.61
始値 109.39
高値 109.69
安値 109.20
ユーロ/ドル
NY終値 1.1129/1.1133
始値 1.1155
高値 1.1158
安値 1.1125