• 5月は49.4、エコノミスト予想は49.9だった-再び節目割れ
  • 米の対メキシコ関税、米中貿易対立の懸念材料に-舒暢、曲天石両氏
A worker cutting steel at a factory in Huaibei, China. 
A worker cutting steel at a factory in Huaibei, China.  Photographer: -/AFP/Getty Images

中国の製造業活動を測る政府の指数は5月に予想以上の悪化となり、節目の50を下回った。国内景気の低調に対米貿易摩擦の激化が追い打ちをかけている。

  国家統計局が31日発表した5月の製造業購買担当者指数(PMI)は49.4。ブルームバーグ調査のエコノミスト予想は49.9だった。活動拡大・縮小の節目となる50を再び下回った。

China's factory gauge drops with trade war flaring

  習近平指導部が国内外で難題に直面する中、中国景気が今年二番底を付ける可能性は高まりつつある。トランプ米大統領は関税の強化策をメキシコに拡大しており、中国にとっては米国との早期決着を図るとの見込みが薄くなる一方、人民元安や国内金融システムの緊張が信頼感を損ねている。

  製造業PMIの項目別では新規輸出受注指数が悪化しており、輸出業者が米追加関税の脅威再燃と世界の需要減速による影響を感じていることを示している。同PMIの低調は貿易対立の突然の激化により今年前半の持ち直しが短命だったことを示唆。中国当局はより大胆な緩和策を講じざるを得ない可能性があるが、人民元相場が制約要因だ。

  ブルームバーグ・エコノミクスの舒暢、曲天石両氏は「貿易戦争による圧力から中国経済を守るため、政策の軸足を循環的安定にしっかり戻すべきだ。トランプ大統領が示したメキシコ全輸入品への5%関税計画は大統領が貿易に総力を挙げる構えであることを示唆しており、米中貿易対立にとっては懸念すべき兆しだ」と指摘した。

  ブルームバーグは株価や銅価格の下落、小規模企業の信頼感低下を示す先行指標をまとめ、5月指標の悪化を先に示していた

原題:China’s Factory Outlook Worsens as Trade War Heats Up Again (2)(抜粋)