政府は1日、韓国を対象に半導体材料の輸出管理を強化すると発表した。スマートフォンなどの有機ELディスプレーに使われるフッ化ポリイミドなど3品目について、厳格に輸出手続きを審査する方法を今月4日から適用する。元徴用工問題で韓国政府に対応を促すことが狙いで、事実上の対抗措置となる。

 残る2品目は、レジスト(感光材)エッチングガス(高純度フッ化水素)。いずれも日本企業が世界シェアの7~9割前後とされる。経済産業省が週内にも制度変更の通達を出す。対韓輸出では従来、企業が複数の製品をまとめて申請することができたが、契約ごとに許可・審査が必要な仕組みに切り替える。韓国電機業界の負担が増えるが、取引先の日本メーカーも影響を受ける可能性がある。

 世界貿易ではトランプ米政権が「安全保障上の脅威」を理由に自動車に対する追加関税などを検討。日本政府は「自由貿易の旗手」を掲げ、管理貿易的な措置への懸念を示してきた。今回の対韓措置は日本の方向転換と受け止められる恐れもある。