[ニューヨーク 12日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では月内の米利下げ観測がなお根強く、ドル指数.DXYは3営業日続落した。 

ドル指数は0.1%値下がりして97.004。ドルの対円、対スイスフラン相場は3週間超ぶりの大幅安となった。 

労働省が発表した6月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比で0.1%上昇した。これを受けドルが一時下げ幅を縮小した。 

11日に発表された6月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.3%上昇し、1年5カ月ぶりの大幅な伸びとなった。 

ウエスタンユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は、PPI上昇に伴って利下げ予想が揺らぐことはないと見通す。 

連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目する個人消費支出(PCE)コア指数の前年比は5月に1.6%上昇。マニンボ氏は、この指標が加速確実な兆候を示すまで、FRBが月内の利下げ姿勢を変える公算は小さいとみている。 

金融市場は依然、月末の利下げと年末までの計64ベーシスポイント(bp)の利下げ予想を織り込んでいる。 

ユーロは対ドルEUR=で0.2%高の1.1271ドル。 

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビスコ・イタリア中銀総裁は、ユーロ圏の景気が上向かなければECBは追加緩和策を打ち出す必要があり、「数週間以内に」取り得る手段を検討するとの見解を示した。これを受け、ユーロが値下がりする場面もあった。 

ラボバンクの外為戦略部門責任者、ジェーン・フォーリー氏は、ECBが9月の理事会で中銀預金金利をさらに引き下げると予想。他の主要中銀も緩和に向かっており、ドルの弱さは大方の見方ほど深刻なものではないと予測した。ユーロは年初から1.7%安。 

ドル/円 
NY終値 107.89/107.92 
始値 108.33 
高値 108.35 
安値 107.81 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.1269/1.1273 
始値 1.1257 
高値 1.1274 
安値 1.1239