[ワシントン 15日 ロイター] – トランプ米大統領が週末の間に移民系女性議員は「国に帰ったらどうか」などと投稿したことを巡り民主党から人種差別だと批判が出る中、トランプ氏は15日、攻撃を一段と強めた。2020年に大統領選挙を控え国の分断の高まりにつながる可能性のあるこうした発言に対し、共和党幹部は今のところ主だった反応は示していない。 

トランプ氏は14日、「進歩的な民主党の女性議員」に対し、「完全に破滅して犯罪がまん延する元にいた国に帰り、建て直しを手伝ったらどうか。その後(米国に)戻り、どのように建て直したか見せてほしい」とツイート。名前は挙げなかったものの、アレクサンドリア・オカシオコルテス議員イルハン・オマル議員アヤナ・プレスリー議員ラシダ・トレイブ議員の4人の女性議員を指したとみられている。4人はトランプ氏のほか下院民主党主導部に対しても批判的で、「スクワッド」と呼ばれている。 

4人は全員、米市民権を保有しており、オカシオコルテス議員、プレスリー議員、トレイブ議員は米国生まれ。オマル議員はソマリアから難民として1997年に米国に移住した。 

トランプ大統領は15日も攻撃を強め、女性議員らに対し「これまでのひどい発言」について自身のほか、米国とイスラエルに謝罪するよう要請した。 

トランプ大統領の週末のツイッターを受け、民主党のペロシ下院院内総務らはトランプ氏が白人ナショナリズムを助長させていると非難。民主党から大統領選に出馬を表明しているカマラ・ハリス上院議員とカーステン・ギリブランド上院議員も、トランプ氏のツイートは「人種差別」に当たるとして非難した。 

一方、マコネル上院院内総務マッカーシー下院院内総務を含む共和党幹部は、トランプ氏のツイートにこれまでのところ主だった反応は示していない。 

ペンス副大統領のマーク・ショート首席補佐官は15日、フォックス・ビジネス・ネットワークのインタビューでトランプ氏の発言を擁護。その後、記者団に対し「トランプ氏のコメントは普遍的なものではない」と述べた。 

カナダのトルドー首相は15日の記者会見で、移民系女性議員を巡るトランプ氏の発言を非難。「カナダでのやり方ではない」とし、「カナダの多様性は最大の強みの一つだ。われわれはこれを守り続ける」と述べた。 

英政府の報道官はこの日、メイ首相がトランプ氏のツイートに対し「完全に受け入れることができない」との見解を示したと語った。