北朝鮮は25日、日本海に向けて新型の短距離弾道ミサイルとみられる飛しょう体2発を発射しました。北朝鮮としては、来月、韓国と合同軍事演習を行う予定のアメリカに不満を示し、演習の中止や延期など譲歩を引き出そうというねらいがあるものとみられます。
北朝鮮は25日朝早く、東部のウォンサン(元山)付近から日本海に向けて飛しょう体2発を発射し、韓国政府は、新型の短距離弾道ミサイルだとする分析を明らかにしました。
北朝鮮はこれまで、アメリカが来月行う予定の韓国との合同軍事演習について「アメリカは先月の米朝首脳会談で演習の中止を約束した」と主張するとともに、「露骨な圧迫だ」と反発しています。
北朝鮮としては、今回の発射で演習を行う予定のアメリカに不満を示し、演習の中止や延期など譲歩を引き出そうというねらいがあるものとみられます。また、27日は朝鮮戦争の休戦から66年となり、北朝鮮が「戦勝記念日」とする祝日です。
北朝鮮としては、記念日を前に、アメリカに屈しない姿勢を示すことで、北朝鮮の国民向けにキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が強い指導者だとアピールするねらいもありそうです。
一方で、25日に発射したのは、アメリカに届く長距離弾道ミサイルではなく、短距離の弾道ミサイルで、アメリカを過度に刺激しないよう挑発の度合いを調整しているとみられます。