[ワシントン 2日 ロイター] – トランプ米大統領は2日、米国産牛肉の欧州連合(EU)への輸出拡大で合意したと発表した。 

トランプ大統領によると、EUは無関税での米国産牛肉の輸入を1年目に46%増加させ、その後7年間にわたりさらに90%増加させる。トランプ氏は「合計で無関税の米国産牛肉のEUへの輸出は1億5000万ドルから4億2000万ドルに増加する。180%を超える増加となる」と述べた。 

合意書にはライトハイザー米通商代表部(USTR)代表のほか、在米欧州連合(EU)代表部のスタブロス・ランブリニディス大使らが署名。トランプ大統領は「欧州の貿易障壁を引き下げ、米国の市場アクセスが拡大する」と述べた。 

EUと牛肉輸出拡大で合意したことで、中国との通商問題で痛手を受けている米国の農業部門に対する影響が和らぐ可能性がある。 

EU代表部のランブリニディス大使は、中国は名指ししなかったものの、欧州と米国は世界市場で公正な競争を行わない国に対し、ともに取り組んでいくことができると指摘。「今回の合意は欧州と米国がパートナーとして問題を解決できることを示している」と述べた。 

ただトランプ大統領は、欧州の自動車に対する関税措置はEUとの通商協議で常に懸案となっており、交渉を通して自身が望んだ結果が得られない場合は、発動せざるを得なくなる可能性があると指摘。牛肉輸出に関する合意書の署名後に記者団に対し「米国向けのすべてのメルセデスベンツとBMWに25%の関税をかけることを検討している」と述べたが、その後、これは冗談に過ぎないと述べた。