[北京/ワシントン/国連 2日 ロイター] – 中国の国連大使に着任した張軍氏は2日、米国が通商面で中国と争うことを望むなら、中国側にも争う意思があるとし、米国の対中追加関税に対抗措置を取る用意があると述べた。 

トランプ米大統領は1日、3000億ドル相当の中国製品に対する10%の制裁関税を9月1日付で発動させると発表。これについて張氏は国連本部で記者団に対し「理不尽で無責任」な決定とし、「中国の姿勢は非常に明確だ。米国が協議を望めば協議するし、争いたいのなら争う」と指摘。「基本的な権利を守るために必要な対抗措置を取るつもりだ。正しい方法で正しい解決策を見つけるために正しい軌道に戻るよう米国に求める」と語った。 

米中の通商関係が北朝鮮問題での両国間の協力に影響を及ぼすかとの質問に対しては、現時点で予想するのは難しいとしながらも、「一方ではパートナーの協力を仰ぎ、他方ではパートナーの利益を阻害するということを想像するのは難しい」と指摘。「北朝鮮に対する制裁措置を維持しながら、同国にできるだけのことを実施するよう要請することはできない」とし、「適切な時期に」制裁が緩和される必要があると述べた。ただ中国は緩和すべき時期についてはまだ何も決めていないと述べた。 

張氏はこのほか、新疆、チベット、香港などへの内政干渉は認められないとしたほか、混沌かつ暴力的となった香港デモの継続も看過できないとした。 

トランプ氏は、通商協議で事態打開に向け中国にはやるべきことが多いという認識を表明、「ただ同一内容の合意を中国と交わすわけには行かない。中国とより良い内容で合意する必要がある」と記者団に語った。 

カドロー米国家経済会議(NEC)委員長は記者団に、関税に伴う消費者への影響は最小限にとどまる見通しを示した。フォックス・ビジネス・ネットワークに対し、トランプ氏は中国との通商協議の進展に満足していないとも指摘した。