【ワシントン時事】米国務省報道担当官は14日、中国当局が大規模デモの続く香港との境界付近に武装警察隊を展開させていると伝えられていることに「深い懸念」を表明した。その上で「香港の自治が侵害され続けるなら、国際問題に関する(香港の)特別な地位が脅かされる」と述べ、米連邦法に基づく優遇措置の見直しにつながりかねないと警告した。

<関連ニュース>香港・逃亡犯条例改正

 米国は1992年成立の「米国・香港政策法」で、香港に関税やビザ発給での優遇措置を認めている。米議会には、デモを受けた中国の対応次第で優遇措置を見直すべきだという声が強く、国務省報道担当官の発言はそうした意見を念頭に置いたものとみられる。

 報道担当官はデモに関し「暴力を回避するよう、すべての当事者に促す」と自制を求めた上で、「表現の自由や平和的な集会の自由を支持する米国の姿勢は揺るがない」と強調。デモが「香港の自治侵害に対する住民のまっとうで幅広い懸念を反映したものだ」と分析した。