22日、オタワで記者会見に臨むポンペオ米国務長官(AFP時事)

 【ワシントン時事】ポンペオ米国務長官は22日、韓国が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を発表したことについて、「失望した」と表明した。米国はGSOMIA維持を韓国側に働き掛けてきた経緯があり、今回の決定に不満を示した形だ。その上で、「日韓が関係を正しい位置に戻し始めることができるよう願っている」と述べ、両国に和解を促した。訪問先のオタワでの記者会見で述べた。

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 ポンペオ氏は会見で、韓国の康京和外相と同日電話会談したことを明らかにした。康氏からGSOMIA破棄の決定について説明を受けたほか、今後の対応などを協議したとみられる。

 米国は、北朝鮮の非核化に向けた取り組みで、日米韓3カ国の連携を重視してきた。このため日韓の足並みの乱れが、停滞する米朝交渉にも悪影響を及ぼすことを危惧している。

 また、トランプ政権は、主要な同盟国の日本と韓国の対立が安全保障分野に及んだことに危機感を募らせており、国防総省が声明で、韓国のGSOMIA破棄発表に「強い懸念と失望」を表明。「われわれは、(日米、米韓の)2カ国間、(日米韓)3カ国間の防衛、安全保障面での協力を追求し続ける」と述べ、日米韓の連携維持の重要性を強調した。