[ロンドン 2日 ロイター] – 欧州外為市場では、ユーロが対ドルで1年4カ月ぶり安値に沈んだ。米中貿易摩擦が欧州経済に及ぼす悪影響への懸念が強まった。ポンドも急落。英国で総選挙が実施されるとの観測が高まっていることが背景。 

米市場がレイバーデーの祝日で休場となる中、様子見気分が強かった。 

8月のドイツ製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は8カ月連続で好不況の分かれ目となる50を下回り、欧州の成長見通しに影を落とした。

米国と中国は1日、互いの輸入品に対する追加関税を発動した。ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズのマクロ戦略主任ティモシー・グラフ氏は「貿易摩擦がエスカレートすれば、外為市場での逃避先は限られる。貿易でのつながりから、新興国通貨やユーロは特に脆弱だ」と述べた。 

ユーロ/ドルは0.3%安の1.0958ドル。 ユーロ圏短期金融市場ではこの日、9月12日の欧州中央銀行(ECB)理事会での20ベーシスポイント(bp)の利下げの可能性が60%織り込まれた。

ポンド/ドルは1%超安。1.2036ポンドまで下落し、約2年ぶり安値に迫った。ポンドは対ユーロでも最大0.8%下落し、91.090ペンス。 

ジョンソン首相はこの日、閣議を召集。議会が英国の「合意なき」欧州連合(EU)離脱を阻止すれば、総選挙に踏み切る用意を進めているとの観測が強まった。

ドルは概ね堅調に推移し、主要6通貨に対するドル指数は0.2%高の99.13。