[ニューヨーク/ワシントン 3日 ロイター] – 米供給管理協会(ISM)が3日発表した9月の非製造業総合指数(NMI)は52.6と、2016年8月以来の低水準となった。関税措置を巡る懸念が高まる中、通商問題の影響が経済の広範な分野に波及している可能性が示唆された。
ロイターがまとめたエコノミスト予想の55.0も下回った。指数は50が判断の分かれ目となる。
ISMが1日に公表した9月の製造業景気指数は47.8と、前月の49.1から悪化し、09年6月以来の低水準だった。米中貿易摩擦が企業業況感を悪化させており、第3・四半期に米景気が急速に減速した可能性に懸念が強まった。
景気後退(リセッション)入りのリスクが高まったことで、連邦準備理事会(FRB)は今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げを決定する可能性がある。
MUFG(ニューヨーク)の首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「減速が波及し始めたことで、FRBが今月末のFOMCで今年3回目の利上げを決定するとの観測が高まると予想している」と述べた。
ISMは、非製造業者の間で「関税措置、労働資源、景気の方向性」などを巡る懸念が出ていると指摘。9月は金融、保険、公的部門を含む13部門が上向いたものの、教育サービスなどは軟調だったとした。
内訳では、景気指数が55.2と前月の61.5から低下。予想は59.0だった。雇用指数は14年2月以来の低水準となる50.4。前月は53.1だった。新規受注指数は53.7に低下。前月は60.3。一方、価格指数は前月の58.2から60.0に上昇した。