• 首相の賃上げ要請は7年連続、人材への積極的な投資促す
  • 黒田総裁は「緩やかな賃金・物価の上昇は企業にとっても有益」

安倍晋三首相は26日、都内で開かれた経団連審議員会であいさつし、出席した経営者に対し、新しい事業に大胆に投資する「リーダーの決断が求められている」と述べるとともに、賃上げについて「来春も大いに期待している」と、人材への積極的な投資を促した。

安倍政権が企業に賃上げを促すのは7年連続。首相は来年春闘での具体的な賃上げ水準には言及しなかったが、「半世紀前の(東京)五輪時の賃上げ率は12%。あくまでも参考です」と述べた。

また、その後講演した日本銀行の黒田東彦総裁は、2013年の異次元緩和導入後に復活したベアの慣行が6年連続で実施されており、「緩やかな賃金・物価の上昇は企業にとっても有益」と指摘。「こうした賃金と物価の好循環はなお力強さに欠けている」として一層の賃上げへの期待を表明した。

連合の集計によれば、19年春闘での平均賃上げ率は2.07%と、前年と同水準で、賃上げ要求水準である平均3.12%を下回った。