[上海/台北 14日 ロイター] – 中国・上海市は14日、チェコ・プラハが台湾の台北市と姉妹都市の協定を結んだことを受けプラハとの公式関係を当面断つと述べた。
チェコのゼマン大統領は中国との関係強化を進めてきたが、中国の約束した投資計画が実現しなかったことを受け、中国に対して批判的になっている。12日には中国で4月に開催される首脳会議に出席しないと述べた。
チェコの首都プラハは独自の外交を進めている。フリブ市長は中国当局による台湾外交官の会議からの立ち退き要請を拒否。また、市庁舎にチベットの旗を掲げた。
中国は台湾を、中央政府に反発している省と位置付けており、台湾情勢は中国の外交において最も繊細な課題だ。中国は外国政府に対して、中国に同調するように圧力を強めている。
フリブ市長と台北市の柯文哲市長は13日、プラハで姉妹都市の協定書に署名した。
上海市政府はプラハが台湾など主要な課題において多くの過失を犯したと発言。声明で「無責任に中国の内政に干渉し、公的に『一つの中国』原則を挑発してきた」とし、プラハの動きに「厳格な対立姿勢」を示した。結果として上海は即時、プラハとの全ての公式関係を当面断つとした。
プラハ市は2019年10月、中国が掲げる「一つの中国」原則を拒否し、北京市との姉妹都市関係を解消した。
フリブ市長は声明で「北京との姉妹都市の関係解消以降、中国の内政には関与していない。『一つの中国』は外務省が対応するべきだ」とした。
チェコ外務省は、台北との姉妹都市協定はプラハで当選した政治家が決めたことであり、国の判断ではないと述べた。
先週末の台湾総統選では与党・民進党の蔡英文総統が大差で再選した。選挙運動では中国の強迫行為を繰り返し批判し、台湾が脅されて服従することはないと主張してきた。
蔡氏は台湾が「中華民国」を正式名とする独立した国であり、中国が台湾を支配したことはないと主張している。
柯市長は台湾の正式な独立性を支持していない。昨年は上海を訪問し、台湾海峡の両岸は「一つの家族だ」と述べた。柯市長は24年の台湾総統選に出馬するとみられている。