【ワシントン時事】今秋の米大統領選で再選を狙うトランプ大統領と民主党の指名獲得を目指すブルームバーグ前ニューヨーク市長は2日、米プロフットボールの年間王者決定戦スーパーボウルのテレビ中継でそれぞれ選挙広告を流し、推定1億人とされる視聴者に支持を訴えた。米メディアによると、2人の大統領選候補がスーパーボウルで広告を流すのは初めて。
トランプ陣営は30秒の広告枠を二つ確保。うち一つの広告では「トランプ政権下で米国はより安全で強く、豊かになった」とのナレーションとともに、トランプ氏が選挙集会で喝采を浴びる様子や米空母や戦闘機の映像を挿入。低失業率などの経済的成果を誇示した。
一方、ブルームバーグ氏の1分間の広告は、アメフットのプロ選手を目指していた息子を銃犯罪で失った黒人女性が、涙ながらに銃規制を訴える内容。容易に銃を入手できる現状を「国家的危機」と批判し、銃規制に強い姿勢で取り組んできたブルームバーグ氏への支持を訴えた。
トランプ、ブルームバーグ両氏はいずれも約1000万ドル(約10億9000万円)を投じ、世界一高いと言われるスーパーボウルの広告枠を購入した。ブルームバーグ氏の顧問は米紙ニューヨーク・タイムズに対し「スーパーボウルで放映された広告は後々まで話題になる」と述べ、影響力の大きさを指摘した。
選挙資金のすべてを自分の資産で賄うブルームバーグ氏は、これまでにテレビやラジオ、インターネット広告に約2億7500万ドル(約298億円)を投入したとされる。政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」によると、同氏の支持率は1月末時点で8%と、民主党候補の中で4位につけている。